10月29日/TICAD III(第3回アフリカ開発会議)に関する説明会
Introduction
サブサハラ地域委員会(委員長:坂根正弘氏)では、TICAD III(第3回アフリカ開発会議 9月29日〜10月1日、於:東京)の成果と今後の課題について外務省の河野雅治中東アフリカ審議官から説明をきいた。
1993年にわが国が主体となって発足したTICADは、今年で10周年という節目の年を迎えた。第3回の開催となった今回のTICAD IIIは、89ヵ国および47機関から24名のアフリカのリーダーを始め総勢1,000名以上が参加し、わが国外交史上類を見ない規模の国際会議となった。TICADは、ワンショットで開催される会議ではなく、継続して行うプロセスであり、わが国のアフリカ外交そのものである。
アフリカ開発の成功の鍵は、アフリカ自身の主体性を示す「オーナーシップ」の発揮と、わが国を含む国際社会のアフリカに対する「パートナーシップ」の拡大が両輪となって機能することである。TICAD IIIでは、アフリカおよびドナー国双方がこれらの取り組みについて幅広い議論を行い、コンセンサスが形成された。
今回、新たな議論のテーマとして「平和の定着」が加わり、TICAD 10周年宣言に、わが国が主張する「人間の安全保障」の考え方が盛り込まれた。これによって、アフリカ開発には、平和の定着が基盤となることが強調された。
今回、アジアからインドネシア、マレーシア、ベトナムの閣僚が参加するなど、アジア・アフリカ協力に対する期待が高まった。アフリカはアジアから学び、アジアはアフリカに協力しようとする姿勢が見られ、今後のパートナーシップ拡大の足がかりとなった。
TICADは、すでに議論の段階から実行段階に入った。2008年のTICAD IV開催を見据え、現状の課題に対して具体的にどのように応えていくかが重要となる。また、来年秋には、「TICADアジア・アフリカ貿易投資会議」が開催される予定である。経済界には、アフリカへの貿易・投資促進に向け問題点や課題について率直な意見をききたい。