11月21日/コヴァーチ ハンガリー外務大臣との懇談会(座長 米倉弘昌 ヨーロッパ地域委員会共同委員長)

来年5月のEU加盟により、日本との関係強化も図りたい


Introduction
わが国を公式訪問中のハンガリーのコヴァーチ外務大臣を招き、EU加盟(2004年5月)がハンガリーの投資環境、外資優遇策に与える影響や、日本との経済関係強化の方途などについて、意見交換を行った。

I.コヴァーチ大臣発言要旨

コヴァーチ大臣

日本はハンガリーにとって重要なパートナーであるが、EU加盟(来年5月)後もこれは変わらない。日本にとってより役立つ存在となる。日本企業は、わが国のみならず、ハンガリーを通じて、EU域内やEU未加盟の近隣諸国にアプローチできるようになるためだ。
日本との経済関係では、貿易と投資の促進が特に重要である。貿易面では、生鮮野菜をはじめとする食品などの対日輸出を伸ばしたい。
日本からの投資誘致が課題であるが、ハンガリーの投資環境は今、より魅力的になっている。1つには、EU加盟により、工業製品の関税率引き下げ、行政手続きの簡素化、農産品の品質基準の向上、政府調達への参入等の好条件が揃うためだ。また、わが国の政策として、投資環境整備を進めている。来年1月より、法人税率が18%から16%に下がることが決まっている。2005年にさらに2%下げ、2006年には12%にまで引き下げたい。
投資優遇措置について、免税措置の対象となる投資の規模が50億円以上から15億円以上に下がった。低開発地域については、5億円の投資まで免税措置が受けられる。これはEU基準に合致した政策だ。こうした政策を受けて、すでにハンガリーで投資実績を築いているスズキがEU域内への輸出も視野に入れた新規投資を決定したことは注目に値する。
来年度予算は、公務員の削減等を盛り込む緊縮型であるが、高速道路整備に今年の2倍以上を配分するなど、投資環境整備には力を入れる。これも投資家にとって魅力的であろう。投資上の判断材料である政治の安定についても、ハンガリーは体制の大転換後13年で、複数政党制、法の支配、市場経済が定着している。これまで政権交替はあったが、すべて任期は全うしている。

II.意見交換(要旨)

日本経団連側:
最近の欧米企業の動きはどうか。
コヴァーチ大臣:
アウディ、GE、ボッシュの進出例がある。ハンガリーでは、東よりも西の方が開発が進んでいる。西部は人手不足の状態となっているが、東部では失業者も見られる。免税措置等のインセンティブにより、東ハンガリーへの投資誘致に努めている。

日本経団連側:
ハンガリーはソフトが強い国とのイメージもあるが、どうか。
コヴァーチ大臣:
ハンガリー出身のソフト開発者が世界中で働いており、ソフトウェアも広く流通している。
《担当:国際経済本部》

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