11月21日/調査結果報告

2002年度のCO2排出量は1990年度比1.9%減少

温暖化対策 環境自主行動計画 2003年度フォローアップ結果


日本経団連は1997年に環境自主行動計画を策定し、温暖化対策については「2010年度に産業部門およびエネルギー転換部門からのCO2排出量を1990年度レベル以下に抑制するよう努力する」という統一目標を掲げている。環境自主行動計画では継続的な改善を促すために取り組みの進捗状況を毎年フォローしており、11月21日、2003年度フォローアップの取りまとめ結果を公表した。以下はその概要である。

1.産業界全体の状況

2003年度フォローアップに参加した産業・エネルギー転換部門35業種からの2002年度のCO2の排出量は4億9,851万t-CO2となり、2001年度比で1.8%増加、1990年度比で1.9%減少した。

産業およびエネルギー転換部門からのCO2排出量

2.産業界の取り組みについての評価

2002年度のCO2排出量が1990年度より1.9%減少した要因を分析すると下記のとおりであり、参加業種の生産活動量が増加した以上に、各業種・企業のCO2排出削減対策が効果を挙げていることが分かる。
一方、2001年度より増加した要因の分析からは、各業種・企業の削減対策以上に、景気回復にともなう参加業種の生産活動の増加による影響があること、また原子力発電所の一部停止に伴うCO2排出係数の悪化の影響が見られる。

1990年度比2001年度比
CO2排出係数の変化−0.4%+0.6%
生産活動の変化+3.9%+3.1%
生産活動あたり排出量の変化−5.4%−1.9%
燃料については発熱量あたりのCO2排出量、
電力については電力量あたりのCO2排出量

3.今後の方針

2002年7月に設置した環境自主行動計画第三者評価委員会は、2002年度フォローアップのデータ収集・集計・公表方法等について評価を行い、2003年3月に報告書を取りまとめた。本年度のフォローアップでは、フォローアップ対象範囲(バウンダリー)の調整や排出量増減の分析等、同委員会の指摘を踏まえて実施したところであり、今後ともフォローアップの内容改善を継続的に図っていく。

産業およびエネルギー転換部門35業種の2002年度の動向
〔太字は各業種が目標としている指標。原単位の空欄は数値非公表。〕
注1 工業プロセスからの排出とは非エネルギー起源で製造プロセスから排出されるCO2を指す。
注2 電力の炭素排出係数およびエネルギー換算係数は業種によって異なる値を使用する場合があるが、合計値では統一の値を用いている。合計値と各業種の単純合計との差を補正分に示す。
日本乳業協会、日本産業機械工業会、日本ベアリング工業会、日本工作機械工業会は1997年度を1とした原単位を示す。
《担当:環境・技術本部》

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