11月28日/ポーランド経済セミナー

EU加盟(2004年5月)により、ポーランドの投資環境はさらに魅力的になる


Introduction
日本経団連では、アンジェイ・シェイナ経済次官をはじめとするポーランド政府代表団を迎え、日本ポーランド経済委員会(ロシア東欧貿易会)との共催でセミナーを開催し、EU加盟を視野に入れた経済政策、外資誘致策の現状について説明をきいた。併せて、経済特区の代表や現地に進出している日本企業の事例紹介も行われた。

ポーランド政府代表団説明要旨

1.シェイナ 経済次官

2003年、ポーランド経済は成長のテンポを取り戻した(今年のGDP成長率見込みは3.5%)。EU加盟が実現すれば、更なる発展が期待できる(2004年5%、2005年6%の見込み)。
EUからの財政支援額は、2004年〜2006年にかけて114億ユーロ、2007年〜2011年にかけて600億ユーロが見込まれており、その多くがインフラ整備や技術水準の向上にあてられる。
ポーランドの経済的利点は、(1)ロシアをはじめとする東方の市場への地理的な近さ、(2)労働コストの安さ、(3)外国語能力等職能の高い労働力だ。EU加盟で失業率が下がり、労働効率が上がることが期待できる。
ポーランド政府の目下の最大の経済的課題は、投資環境の改善である。2000年から、EU規定に合致した法制を整えている。EU本部と交渉した結果、経済特区における投資優遇措置を継続できることになった。また、投資窓口も一本化した。さらに、2004年から法人税を19%にまで引き下げる。

2.ボフニャシュ ポーランド日本経済委員長

過去13年の間に、ポーランドの輸出構造は大きく転換した。輸出先が旧コメコン諸国から西欧諸国にシフトし、高付加価値製品の輸出も行えるようになった。輸出のダイナミズムが経済成長に大きく貢献してきた。
EU加盟によって法制度の大転換が起こることを期待している。2000年をピークに、対ポーランド投資が減少傾向にあるので、EU加盟を前に、投資環境の整備を至急進めなければならない。また、GDPに占める公的債務の比率が50%を超えていることから、財政改革の推進も大きな課題である。

3.ズデブスキ 情報・外国投資庁長官

「情報・外国投資庁(PAIiIZ)」は投資先の選定から開所式まで、外国投資家のあらゆる面倒を見るために新設されたワン・ストップ・ショップの政府機関である。各地に事務所を構え、投資家がEU法にハーモナイズするハンガリーの法律を有効に活用して事業を行えるよう全面サポートする。
当庁の最大の戦略課題は、日本からの投資誘致の促進である。外資に占める日本の投資はわずか0.5%であり、日本の経済力から見てあまりに少ない。来年4月から日本人の常駐顧問を迎え、投資誘致活動を本格化させる。

《担当:国際経済本部》

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