1月20日/意見書

「PFIの推進に関する第三次提言」を建議・公表

−PFI法の見直しに向けて


1999年9月にPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)が施行されて以来、これまでに120件余りの案件の実施が決定するなど、PFI事業は着実に浸透している。しかし、一方でPFIを手がける民間事業者からは、(1)さまざまな規制のため、民間の創意工夫を発揮した案件を手がけられない、(2)入札手続が硬直的である、(3)事業リスクが不当に民間事業者側に転嫁されていることがある、といった問題点も指摘されている。
政府は近々PFI法の見直し作業を開始する予定であり、この機会をとらえ、日本経団連はPFIに関する産業界の意見を取りまとめた。以下はその概要である。

PFIの推進に関する第三次提言(概要)

PFIをめぐる問題点提言内容
1.サービスの提供を主眼とした案件の採用
施設の建設を伴わず、サービス提供を主眼とするPFIがPFI法の対象となるのか不明確。
PFI法を改正し、施設の建設を伴わない事業も認める旨明記する。
2.民間の創意工夫の発揮
これまで、民間事業者発案のPFIが一例もない。
ガイドラインを定め、民間事業者の発案にインセンティブを与える(たとえば入札手続に際して発案者を優遇する等)。
3.入札手続の改善
(1)公共側の要求が明確でない場合がある。
(2)公共側が想定する予算規模が明らかでなく、入札価格等の見積を行う上で傷害となる。
(3)民間の創意工夫が活かされた事業が必ずしも選定されるわけではない。
PFI法やガイドラインにて以下を定める。
(1)事業のコンセプトを明確にすべく、発注者と民間事業者との入札前協議を可能とする。
(2)事業に見込まれる経費およびその算定基準を公表する。
(3)入札に際して、価格以外の要素の配点を高くする。
4.税制・補助金の中立性確保
(1)事業の所有権が公共側にある場合(BTO)、固定資産税等が免税となるが、事業の所有権が民間側にある場合(BOT)は課税される。
(2)民間事業者を公募する段階で免税措置や補助金交付の有無が確定していないケースがある。
PFI法を改正し、以下について規定する。
(1)BOTの場合でもBTO同様固定資産税等を免除する。
(2)免税措置、補助金交付の有無は競争条件を左右するので、募集段階で確定させる。
5.公物管理に関する規制の緩和・法整備
公物管理に関する規制ならびに法制の不備が事業推進に悪影響を与える恐れがある。
PFI法ならびに関連法規において
(1)指定管理者制度等に関する規則を整備する。
(2)PFIの事業期間と公共物の占有期間とを一致させる。
6.民間収益部分の流動化
付帯する民間収益部分は第三者への転売ができず、事業多角化や資金回収の障害となっている。
PFI法を改正し、付帯民間収益部分の経営権の第三者への譲渡等について規制を緩和する。
7.契約に関する指針の明確化
契約に関する指針が曖昧で、契約解除後の賠償のあり方等が法的に不安定となる恐れがある。
ガイドラインを定め、以下を実現する。
(1)公共側は賠償金支払いのための新たな議会の議決を経る必要はない。
(2)事業が倒産に直面したとき、融資金融機関等が当該事業を一時譲受の上、譲渡先を探すことができる。

《担当:産業本部》

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