奥田会長の発言から


3月5日(金) 盧武鉉大統領との懇談より(於:ソウル)
自由化レベルの高いFTAの早期締結を

「昨年の6月、大統領閣下にお目にかかった際、日韓経済関係を特に重要視するという姿勢を示していただきました。日韓FTAについては、昨年末から政府間交渉が開始されていますが、交渉が円滑に始まったのは、大統領閣下のリーダーシップによるところが大きく、大いに敬意を表したいと存じます。
日韓FTAは、東アジアの主要二ヵ国間のFTAとして、アジアのみならず世界が注目しています。世界有数の工業国である両国が、鉱工業品で例外の多いFTAを結ぶわけにはいきません。自由化レベルの高いFTAをできるだけ早期に締結できるよう、引き続きご尽力をお願いします。
また、今後、日本企業が韓国に投資する場合には、労働問題の改善が不可欠であり、韓国の労使関係の改善に向けた大統領のご努力に期待したいと存じます。」


3月8日(月) 定例記者会見から
的確な金融政策の継続を

「就任から1年を迎える福井日銀総裁は、場面場面をよく読んで、的確に仕事をされており、高得点をつけても良いと考えます。日銀はゼロ金利政策を継続していますが、これは当面は続けてほしいと思います。ただし、私の個人的見解ですが、株価で日経平均が15,000円程度を超えて上がったり、為替が変動したりすれば、ゼロ金利政策を変える場面も出てくるでしょう。
いつも言っていますが、景気回復の実感は都市部から地方へ、大企業から中小企業へと波及するものと思います。今のところ、地方や中小企業にはまだそうした実感がないようですが、ここ数ヵ月の間に波及効果が出ると思います。ただし、構造改革の過程で、残念ながら消えていかなければならない業種や企業があるのが現実であり、そうしたところは転業等をしなければなりません。もちろん、セーフティ・ネットの充実は必要です。」


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