3月31日/日本コロンビア経済委員会(委員長 佐々木幹夫氏)
Introduction
訪日したコロンビア共和国のカロリーナ・バルコ・イサクソン外務大臣を招き、懇談会を開催した。同大臣は、コロンビアの治安の改善と着実な経済成長について説明するとともに、対日輸出や対コロンビア投資増大への期待を表明した。
ウリベ大統領は、治安対策を強力に推進している。軍を強化し、警察を全ての市町村に派遣することによって、治安の乱れは改善し、犯罪件数は激減した。また、主要道路にも警察を配備し、人や商品の移動の安全を確保することなどにより、治安面で国民の間に信頼感が醸成された。
コロンビア経済は昨年、4%近い経済成長を達成するとともに、失業率も改善し、120万人の新規雇用が創出された。また、小さく効率的な政府を目指し、財政赤字削減に取り組んでいる。一方、民間企業の設備投資、輸出が増大している。主要産業である農業部門の伸びも顕著である。
FTA(自由貿易協定)については、メルコスール(南米南部共同市場)とのFTAを昨年取りまとめたのに続き、2005年はじめの成立を目指し、米国とのFTA交渉を行っている。これにより、コロンビアと米国などとの貿易関係が、さらに強化されると期待している。
子どもの栄養不良をなくし、成長を促進するための社会投資は、コロンビアの将来の安全、治安の確保に大きく貢献する。助成金を支給し、学校給食を促進することによって、子どもの栄養状態の改善をはかっている。また、2006年までに全ての子どもが基本的な教育を受けられるよう、これまでに就学人数を50万人増やしている。こうした取り組みの結果、就学率は、82%から85%に上昇した。
ウリベ大統領は、外国からの投資の増加のため、投資家の方々の安全、治安の確保に力を入れている。特に、観光部門やインフラ部門に対する投資などについては、税法上のインセンティブを与えている。さらに、投資に関する各種手続きの簡素化を進めている。