4月14日/日本メキシコ経済委員会日墨協定に関する懇談会(座長 上原尚剛氏)

ビジネスの活性化につながる経済連携協定を発効させる

−日墨経済連携協定(EPA)の大筋合意に関する説明会を開催


Introduction
わが国経済界の悲願であった日墨経済連携協定(EPA)が3月12日に大筋合意に至ったことを受け、説明会を開催した。外務省中南米局の佐藤悟参事官、経済産業省通商機構部の鈴木英夫参事官ならびに通商政策局の吉岡健一郎中南米室長、財務省関税局の菅正広調査課長、農林水産省大臣官房国際部の豊田育郎国際調整課長より、大筋合意の概要と、日墨EPA発効に向けた今後の予定などについて話をきいた。

4省庁説明要旨

  1. メキシコとの交渉は、2002年11月に始まり、2003年10月のフォックス大統領訪日の際に、閣僚レベルで徹夜の折衝をしたが、合意に至らなかった。11月から交渉を再開し、本年1月の次官級折衝において、メキシコ側の関心の高い農産品5品目と、日本側の関心が高い鉱工業品について進展を図った。その後、双方が国内に持ち帰って検討し、3月はじめの次官級折衝を経て、9日に亀井善之農林水産大臣とウサビアガ農牧大臣の間で、農産品について合意がなされた。翌10日には中川昭一経済産業大臣とカナレス経済大臣の間で、鉱工業品について合意した。さらに、政府調達等を含めた全体のパッケージについて、12日に閣僚レベルのテレビ会談を行い、大筋合意となった。

  2. 物品の貿易では、鉱工業品について双方とも品目数で99%以上、貿易量で99.9%以上の関税撤廃を約束した。即時撤廃する割合も高い(日本側90%超、メキシコ側70%超)。残りもほぼ全ての品目について、10年以内に関税が撤廃される。また、円滑な税関手続きのための協力が行われる。サービスと投資の分野では、内国民待遇と最恵国待遇を確保した。政府調達では、欧米企業と同等の条件で入札に参加できることになる。競争政策では、両国間で反競争的な行為について規制し、公正自由な競争を確保する。ビジネス環境整備では、両国で生じるさまざまな問題を、ビジネス環境整備委員会をつくって協議し、解決をはかっていく。これは、世界のFTAで初の画期的なシステムである。二国間協力では、貿易促進、裾野産業、中小企業、科学技術、人材養成、知的財産、農業、観光、環境の9分野で、協力を進める。紛争処理については、WTOの規程を基本としつつ、それに加えて二国間で仲裁裁判を含む規則や手続きについて定める。

  3. 現在、協定案文の作成作業に取り組んでおり、スピード感をもって進めていきたい。今後は、協定案文の確定、署名、国会での批准といった手続きを経て、来年のできるだけ早い時期に、日墨EPAを発効させたい。

《担当:国際経済本部》

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