奥田会長の発言から


5月11日(火) 資本市場研究会第57回時事懇談会
個人投資家の育成のために

「わが国における個人の金融資産に占める株式の割合は、投資信託や債券を合わせても10%程度に過ぎません。これは、米国の約54%、ドイツやフランスの34〜35%程度と比較して、かなり低い水準です。この背景には、老後の不安のために安全なかたちで貯蓄を残しておきたいという国民の意識があると思います。
証券界に求められるのは、株式、ならびにその背景にある金融や企業活動などの経済事象について、マネーを切り口として国民の理解を深めることです。現状でも東証一部上場企業の平均株式利回りは1%程度と預金に比べて有利ですので、金融や証券に対する知識が広まれば、多くの人々が株式取引の魅力を再認識するのではないでしょうか。」


外国人の受け入れと活用

「グローバル競争の時代にあっては、国民一人一人の“付加価値創造力”を高めるために、外国人の持つ力を活用する必要があると思います。今後予想される労働人口の減少に伴う経済へのマイナスの影響は、技術革新により克服することが十分可能ですので、量的な不足を補う意味で外国人を受け入れる必要はありません。しかし、経済社会に多様性のダイナミズムをもたらすという観点から、専門的・技術的分野に加え、将来、日本人では供給が不足する分野、たとえば看護、介護など社会福祉分野や農業などの第一次産業の分野などを中心に、秩序ある受け入れのシステムを確立することが急がれます。」


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