6月4日/ファン・ヴァン・カイ ベトナム首相との懇談会(座長 奥田 碩会長)

投資環境の改善に向けて、強い決意を持って取り組む


Introduction
ベトナムのファン・ヴァン・カイ首相を招き、日本とベトナムの経済関係の更なる発展やベトナムの投資環境改善に向けた考えについて説明をきくとともに、率直な意見交換を行った。

I.奥田会長発言要旨

優秀な人材を豊富に有するベトナムは、現在、アジアの中でわが国企業が最も高い関心を持っている国の一つであり、新たな進出を検討している企業も多い。ベトナム政府も外国投資の誘致に積極的に取り組んでおり、日本経団連としても、日本企業のベトナム進出に前向きに協力したい。
日本とベトナムの間では、昨年12月、日越共同イニシアティブの最終報告書が取りまとめられるなど、ベトナムの投資環境整備に向けた取り組みが進んでいる。しかしながら、インフラを含む投資環境の更なる整備が必要であり、カイ首相のリーダーシップのもと、ぜひとも力をいれて取り組んでいただきたい。とりわけ、二輪車および四輪車政策の分野における、一層の改善をお願いしたい。

II.カイ首相発言要旨

今日の両国関係は、かつてないほど良好であり、大変喜ばしい。日本はベトナムにとって長期的、戦略的パートナーであり、特に最近では、最も重要な協力相手である。日本からのODAや直接投資は、わが国のインフラ整備はもちろん、経済成長自体に大きく貢献している。
両国間においては、投資協定が調印されたほか、44項目からなる共同イニシアティブも採択されるなど、お互いの関係を促進するための基盤づくりが進んでいる。こうした取り組みも寄与して、日本企業の投資先として、昨今ベトナムが高く評価されていることを嬉しく思う。二輪車・四輪車の問題については、法改正が必要な事項もあるが、皆様の協力も得ながら、私も努力している。ベトナム政府は、投資環境に悪い影響を与える事項について、強い決意をもって改善するつもりである。カップ駐日ベトナム大使にも、両国の経済関係の促進に力を注ぐように指示しているので、要望等があれば、提案いただきたい。
今後、両国の貿易・投資関係をより発展させるため、日本経団連には日本企業のベトナム進出を一層奨励していただきたい。加えて、メコン地域開発や、現在ベトナムが積極的に交渉を行っているWTO加盟についても、ご支援をお願いしたい。

III.意見交換要旨

日本経団連側:
メコン地域開発の現状は。

カイ首相:
同地域、中でもベトナム、ラオス、カンボジアの国境地帯は、長い戦争を通じて東アジアで最も発展が遅れている。昨年の日本・アセアン特別首脳会議の際、この地域を対象とした今後3年間で15億ドルの支援を小泉首相が発表しており、その活用方法について、われわれの知識、経験も踏まえてともに検討したい。現地の住民には、「魚よりも釣竿」を渡すべきであり、その意味で日本からの直接投資をお願いしたい。
《担当:国際経済本部》

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