本年8月の農政審報告「新たな国際環境に対応した農政の展開方向」を踏まえ、農政審議会では、1年後とりまとめを目途に、2005年度を目標年次とする農産物の需要と生産の長期見通しの検討を9月から開始している。今後の施策の展開に当たっては、食品工業の発展を阻害することのないよう配慮し、国内農業と食品産業とが一体となって発展できる政策の仕組みを構築する必要があると考える。
国際化に加え、食品産業の構造変化をもたらす要因として、
食品流通局では現在、基礎素材食品、加工型食品、調理済食品・外食等の業種ごとに、これらの要因がどう作用するかについて分析を試みたいと考えているところである。
現在の動きとしては、85年から92年にかけ、基礎素材食品の出荷額が減少傾向にある一方、加工型、調理済食品等については大幅に出荷額を伸ばしている。ただし、基礎素材食品分野においても、円高や原料作物の行政価格の引下げ等により、原材料使用額は減少しており、付加価値額は増加している。
価格政策については、国内農業の生産性向上に努めていく方針であり、価格決定ルールの問題はあるが、コスト削減の効果は川下にも波及するのではないか。