環境安全委員会(委員長 関本忠弘氏)/12月26日

環境基本計画が成立


環境安全委員会では、環境庁の石坂匡身企画調整局長を招いて、環境基本計画ならびに今後の環境政策について話を聞いた。経団連側からは、阿比留地球環境部会長(東京電力副社長)が中央環境審議会企画政策部会の委員として、環境基本計画の審議に参加したことから、環境基本計画の成立を歓迎するとともに、今後とも環境基本計画に基づいて経済界は環境保全に自主的かつ積極的な取り組みを行なっていく旨述べた。

石坂局長説明要旨

環境基本計画は、環境基本法に基づき、環境の恵沢の享受と継承、人類共有の生存基盤たる有限な地球環境の維持という基本的考え方に立ち、21世紀半ばを展望して、21世紀初頭までの施策の方向を明らかにしたものである。

計画では、

  1. 循環を基調とする経済社会システムの実現、
  2. 自然と人間との共生の確保、
  3. 公平な役割分担の下での全ての主体の参加の実現、
  4. 国際的取り組みの推進、
の4つの長期的目標を定めている。またこれらの目標の達成状況や目標と施策との関係等を具体的に示す総合的な指標・指標群の開発を早急に進め、今後、その成果を得て環境基本計画の実行・見直し等の中で活用していくこととしている。

さらに長期的な目標の実現に向けて、問題の性質に応じて多様な施策手法を適切に組み合わせて活用し、施策相互の有機的連携を図りつつ、総合的かつ計画的に施策を展開していく。さらに、環境保全に係る共通的基盤的施策としては、環境影響評価、規制的措置、経済的措置、社会資本整備、調査研究、監視・観測、技術の振興、環境情報の整備等があげられる。このうち、環境影響評価制度については、内外の制度の実施状況等に関し、関係省庁一体となって調査研究を進め、その結果等を踏まえ、法制化を含め所要の見直しを行う。また、経済的措置とりわけ経済的負担を課す措置については、調査研究を進めるとともに、その導入に際しては、国民の理解と協力を得るよう努力することとしている。また、その措置が地球環境保全のための施策に係るものであるときには、その効果が適切に確認されるようにするため、国際的な連携にも配慮することとしている。本計画は毎年点検するとともに、計画自体も5年後を目途に見直しを行う。

環境基本計画の特徴としては、これまで閣議で方針が策定されていなかった廃棄物・リサイクル対策、環境教育・学習等の分野も含め、長期的な環境政策の方針が策定されたことである。また、フォローアップ体制が組まれたこともあげられよう。さらに国民参加型で作成された計画であり、かつ閣議決定という高いレベルでの環境保全に関する基本計画は、諸外国にも例がない。


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