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人材育成の一翼を担う先端技術者育成トラスト


経団連が毎年行なってきた先端技術者育成トラストの94年度助成金対象校に、東北大金属材料研究所、芝浦工大工学部、岡山大工学部、米子工業高専の4校が決定した。
さる12月12日に開催された贈呈式では、受賞校の代表から、
「昨今の理工系離れは、何故起きるのか。今までの教育が、あまりにも理屈に走り、作る喜びを等閑視したからではないか。もの作りの楽しさを味わって貰いたいと思って開設した社会人講座に、意義あるトラストの受賞は大きな励みになる」
「地方の産業を支える中小企業のニーズに応え、情報処理をはじめ実習を中心とした再教育に力を入れてきた。文部省の理解も得て、ハードのシステムは導入したが、今回の助成金でソフトウェアの整備に着手できる。完成したシステムを地域の発展に役立てたい。」
「山陰には大企業はほとんどないが、それを支える中小企業は先端技術に果敢に取り組んでいる。高専は、中小企業の今後を担い、地域に根付く人材を育成するため、十数年来、地味ながら社会人公開講座を続けてきた。数ある応募校の中からの受賞は誠に光栄である」との挨拶があり、関係者一同、トラスト事業の推進に決意を新たにしたところである。
経団連では、人材育成問題について、とくに先端的な分野での技術者不足や若者の理工系離れに、経済界としても積極的に取り組み、解決の一助となるにはどうすべきかとの視点から検討を重ねてきた。
社会人技術者を対象としたリフレッシュ教育に取り組んでいる大学、高専等に、資金面での支援を行う先端技術者育成トラストは、こうした経済構造問題委員会における人材育成に向けた具体策検討の過程から生まれた。90年に創設されたトラストは、企業から受け入れた資金を信託銀行に預け入れ、元本の所有権は協力企業に残したまま、その運用益を使って助成 (現在1校につき500万円) を行う経団連独自方式によるものである。
経団連は、新年の豊田会長メッセージで、今後の重要課題に規制緩和と並んで創造性に富む人材の育成を掲げている。先端技術者育成トラストも、社会人教育を通じて、今後とも人材育成の重要な一翼を担っていきたい。皆様の一層のご理解とご支援をお願いしたい。


ご協力いただいている企業(順不同)

富士通、新日本製鉄、東芝、野村証券、トヨタ自動車、日産自動車、三菱電機、松下電器産業、日立製作所、信託銀行8社


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