豊田会長の一言


2月19日(日)

シンガポールにおける記者会見

「シンガポールは、その成長を維持するために企業の統括本部誘致等のための投資環境の改善、第三国での日本企業との協力推進、APEC・WTO等を通じての自由化推進に力を入れていることを痛感した。
金融・サービス中心の産業構造と思っていたが、製造業のウエートを25%以下にはしないとの方針を堅持している。日本も頑張る必要がある。リー・クァンユー上級相が、日本の社会の固定性は問題だが、団結、平等など過去の良い点まで捨ててはいけないと指摘したのが印象的だった。革新、ソフトの重要性についても全く同感だ。」

2月20日(月)

バンコクにおける記者会見(チュアン首相との懇談は翌日)

「空港からヘリでBOIフェアー(産業博覧会)の会場に向かったが、各所で高速道路の工事が行われており、タイ経済が活気にあふれている様子が空から窺えた。国王、王妃両陛下に拝謁の機会を賜ったが、単なるご挨拶ではなく、お話を通じてタイ経済の発展にかける熱意を感じ取ることができた。
スパチャイ副首相からは、APEC大阪会議に関連して、日本は難しい対応を迫られようが、アジアが自由化を支持していないと誤解されないことが重要であり、アジアと北米との橋渡しの役割を果して欲しいとの話があった。
都市と農村の格差是正など、タイ経済の課題はいろいろあるが、世界でも有名なバンコク周辺の交通渋滞を解消するため、現在進めている道路網の整備が急務である。もっとも、渋滞の原因として車を作りすぎているのではないかという意見もある。」

2月23日(木)

ハノイにおける記者会見

「私は、今回が初めてのベトナム訪問であるが、短期日の間にド・ムオイ書記長、ボー・バン・キエット首相、レー・ドゥック・アイン国家主席の3首脳のほか多くの要人に会うことができた。書記長には初めて会ったが、古くからの友人のように感じた。箸、仏教、米という両国共通の文化に触れながら、テレビのおしんは毎回見ているし、冗談まじりにベトナムの発展は日本の責任でもあると述べた。日本に対する期待の大きさの現れであり、これからの日本の責任も重い。4月に初来日する予定であり、あらためて懇談するのを楽しみにしている。ベトナムもそうだが、どこの国でも阪神・淡路大震災のことを心から心配してくれた。
国家計画委員会との会合では、生産管理技術の移転、中小企業の交流、人材育成への協力などについて話し合ったが、一方では西陣織の委託加工が行われているなど、日本人が忘れかけている技術も蓄積されている。」

2月27日(月)

タンス・チルレル首相の歓迎午餐会において

「トルコは、アジアとヨーロッパを結ぶ架け橋として地勢学的にも重要な位置を占め、またCISの国々とも密接な関係を築いている。両国間の交流を深め、パートナーシップを強化することは、二国間関係を発展させるだけでなく、世界全体の安定と発展に大いに寄与すると確信する。」


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