外資系企業の環境改善に関する部会(部会長 竹中 誉氏)/2月23日

対日直接投資促進にむけ、日本政府の積極的な支援策と在日外資系企業の役割に期待


日米包括経済協議においてアメリカ政府より対日直接投資促進に関する要望「Proposed Action Plan on Foreign Direct Investment 」が提出された。この中には経団連で要望している案件も多く含まれているため、在日アメリカ大使館ペンフォールド経済公使を招き、同提案について説明を受けた。会議ではわが国が投資環境改善のために努力するとともに外国企業に対してわが国の投資環境の改善状況や利点を広報していくことが重要であるとの認識を得た。

ペンフォールド経済公使発言要旨

日米包括経済協議においてアメリカ政府は対日直接投資促進に関する提案を行なった。この提案は在日外資系企業などの意見を参考にさまざまな措置を網羅したものである。アメリカ政府は投資が輸出の水先案内になると考え、対日直接投資促進に高いプライオリティを置いている。

日本の投資インバランスは1967年以前の日本の外資制限政策の遺産によるところもあるが、法的な規制は除去されてきている。しかし、現在でも規制や行政による事業活動に対する障害、密接な企業間関係に基づく商慣行、厳格に規制された資本市場、企業間の株の持合い、不明確な会計原則、不十分な情報開示などの要因が重なりあって、外資系企業にとって日本の投資環境は魅力あるものとなっていない。最近の急激な円高で対日投資は更に困難になっているが、製品やサービスを日本の顧客のニーズにあわせるためには投資が必要であり、輸出の足掛かりにもなる。

日米包括協議では、対日投資拡大は日米両国にとって雇用などの面で好ましいという認識で一致しており、次の分野で努力していくことにしている。

  1. 投資拡大への政府の強いリーダーシップ。アメリカ政府は対日投資会議を外資系企業の代表が直接、意見を申し述べる機会として評価している。その中で外資系企業が投資に関する情報を得るための窓口の一本化を希望している。
  2. 日本開発銀行などの低利融資制度の適用範囲の拡大。
  3. 欠損金の繰越期間の15年への延長、輸入関連インフラ投資の割増償却などの税制上の優遇措置の充実。
  4. 規制緩和のさらなる促進。
  5. M&Aの推進。
  6. 地価抑制のための措置。

こうした措置を組み合わせたプロジェクト構想として、コストのかかる検査施設、展示施設、エンジニアリング/デザイン・センターなどを外資系企業が共同で設立して投資を促進するプロジェクト、第三セクターとして日米官民がコンソーシアムを設立して施設などを共有して協力していく方法などが考えられる。対日直接投資拡大は外国のためだけでなく貿易摩擦の解消、日本企業・消費者のためにも重要である。


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