中国地方の景気はまだ回復への足取りは重い。特に、阪神大震災は、中国地方にも人と物の流れに大きな影響を及ぼし、大動脈が大都市圏に集中したわが国国土の脆弱性を露呈した。そうした中で、日本海国土軸、太平洋新国土軸などを想定した多重型国土軸がクローズアップされている。
加えて、地震発生後の行政の対応の遅さは、日本の行政システムの硬直性の表れであり、今後は、国と地方の役割を明らかにし、地方分権を進めていかねばならない。
阪神大震災は、中国地方の経済に大きな影響を及ぼしている。中国経連の震災に関するアンケート調査では77%の企業が「影響がある」と答えている。特に物流・交通機能の停止による影響が一番深刻であり、材料の入荷、製品の生産、出荷に支障をきたしている。
今回の震災の教訓として、セキュリティ面から諸機能を地方に分散することが必要であり、首都圏や京阪神の大都市を経由しない国土軸として、日本海国土軸の形成の重要性が高まったといえる。