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森林保護に向けて再生紙に続く非木材紙


名刺の片隅に慎ましく記された「再生紙を使用しています」というフレーズが、名刺交換時に話題を提供した時代は次第に過去のものになりつつあります。すでに再生紙はわれわれにとって非常に身近な存在となっています。
さらに最近では、「これは一年生の植物ケナフのパルプから作りました」というまだあまり馴染みのないフレーズを眼にする機会が増えています。
森林保全の観点から、木材資源の一層の有効利用への取組みに加え、非木材資源の利用拡大が国際的に期待されており、再生紙に続く紙原料として、ケナフ(アオイ科の一年草)やバガス(サトウキビの搾りかす)等の非木材原料が大いに注目を集めています。

経団連では、地球環境憲章(1990年4月)を発表して以来、「持続可能な開発」の具体的案件を検討してまいりましたが、この度、その一環として非木材原料の普及を支援する目的で、中国におけるケナフパルプ事業の企業化に向けた調査団を派遣いたしました。
今般の調査団は、新王子製紙株式会社、地球・人間環境フォーラム、国連工業開発機関(UNIDO)、JAIDOならびに経団連で構成され、UNIDOから調査費の提供を受け実現したものです。民間経済界、国連機関、環境NGOが共同で環境保全案件の発掘・形成に乗り出すことはわが国では始めてのケースであり、今後こうした連携が拡大することが期待されています。
非木材パルプ事業の企業化にあたっては、原料の安定的確保、工場の環境対策、製品のコストダウン等の検討課題が残されており、今後の研究・開発が待たれるところです。
経団連としては、各方面にケナフパルプ紙を始めとする非木材紙の利用を呼びかけ、地球環境保全に向けたキャンペーンを展開していきたいと考えております。


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