ムバラク エジプト大統領歓迎昼食会/3月14日

日本とエジプトに新たな地平線を切り開くための役割を日本経済界に期待


経団連では、国賓として来日したエジプトのモハメッド・ホスニ・ムバラク大統領の歓迎昼食会を、日本商工会議所、日本経営者団体連盟、経済同友会、日本貿易会、日本エジプト経済委員会と共催で開催した。
以下はムバラク大統領の演説要旨である。

エジプトは日本との協力関係を重視してきた。また、日本が政治、経済、文化における中東の戦略的重要性を認識し、中東和平プロセスにおいて果たしている役割にも大変感謝している。
しかしながら、率直に言って経済面での日本との協力は期待されたほどではなく、共通の利益のためにこれを是正し、パートナーシップを確立することが必要だ。これは一方だけで成されるものではなく、この面で日本の民間が大きな役割を果たしてくれるものと信じている。
投資の奨励はわれわれの政策にとって重要であり、特に生産性の改善やハイテク、研究開発の分野における日本の協力を必要としている。
現在、エジプトでは経済改革プログラムを進めており、第1段階ではマクロ経済と財政を再建した。この結果、1995年度の財政赤字はGDPの2%以下に削減され、インフレも6〜8%に抑えられた。また、長期的収支も安定し、この4年間は、年額30〜40億ドルの黒字を計上し、外貨準備高も22カ月分の輸入代金に相当するまでになった。
経済改革の第2段階は、改革の継続とエジプトの経済成長を生み出す主導的な役割を民間部門に与えるものだが、これは高度に持続的なGDP成長と雇用の創出を狙ったものである。
このため、投資や生産の分野で規制緩和を開始し、新投資法も制定した。また、国営、公営部門における自由化も進めており、民間部門は同じ土俵に立てるようになった。
資本市場の発展のために必要な法も制定しており、投資環境の改善に結びつくものと思う。また官僚機構や労働者の技能レベルの改善も図っており、これらの要素はエジプトに投資を検討する日本や他のパートナーにとって極めて魅力的なものであると確信している。
現在、われわれの社会は高いレベルの治安と安定を有しており、今や治安上のリスクはほとんど無くなった。しかし、われわれのシステムをより完璧にするためのものであれば、新しいアイデアや提言は大いに歓迎する。
エジプトは他の中東諸国やアフリカ諸国の窓口となる位置にあり、皆様方に是非エジプトにおいでいただき、生産性の向上とシステムの確立に協力をお願いしたい。今後、日本・エジプト2国間関係に新たな地平線を切り開くための役割を日本経済界に期待している。


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