衆議院、自民党において要望(関本副会長、小山専務理事)/3月24日

強力な円高対策の実行を求める


最近の1ドル=90円を割る急激な円高によって、わが国産業界は深刻な影響を受けている。経団連では、行き過ぎた円高をこのまま放置しておけば、日本経済の崩壊にもつながりかねないという危機意識を持って、与党・政府等に対して、機会あるごとに適切な経済運営を働きかけを行なっている。3月24日には、衆議院商工委員会において、関本副会長が、自民党商工部会・中小企業調査会の円高問題に関する懇談会では、小山専務理事が、急激な円高の影響について説明するとともに、強力な円高対策の実行を要望した。

1.関本副会長説明要旨

(衆議院商工委員会)

  1. 最近の為替相場はファンダメンタルズを反映しない異常な円高である。このまま放置しておけば、産業が空洞化し、深刻な雇用問題が発生する惧れがある。

  2. 最近の急激な円高は投機によるものである。投機筋には、貿易黒字解消のためには、円高が必要であると信じられている。
    しかし、日本の対米輸出の約7割は資本財(IC、工作機械等)やアメリカで生産されていない製品(VTR、FAX等)であり、円高になっても、対米黒字は減らない。

  3. G7が、ワーキング・グループを設置し、6月15日のハリファックス・サミットに向けて、為替安定化策をとりまとめるよう、働きかけるべきである。

  4. わが国は、規制緩和、市場開放を進めると同時に、経常収支黒字の還流を図り、これを対外的にアピールする必要がある。

  5. 企業は、急激な円高に対応するために、円建て比率の向上、輸出価格の引き上げに努めている。

2.小山専務理事説明要旨

(自民党商工部会・中小企業調査会円高問題に関する懇談会)

  1. 最近の急激な円高は、景気回復の遅れ、金融システムへの不信感、並びに証券市場の極度の不振と、密接な関係にあり、これらの問題を見据えた総合的なグランド・ポリシーを実行することが急務である。

  2. 経団連の緊急アンケート調査によると、(1)1円の円高で、数百億円の収益悪化となる、(2)コストダウンも限界にきている、(3)大競争時代を迎え、アメリカやアジア諸国との競争に伍していけない等、悲痛な叫びがあがっている。

  3. 今回の通貨不安の原因はドル安であるが、米国の危機意識は薄い。日米首脳が為替安定に対する強い決意を明確に示す必要がある。

  4. また、わが国としては、規制緩和の徹底により、市場を開放するとともに、公共投資基本計画の前倒し実施、証券市場の活性化等、思い切った内需拡大策を実行する必要がある。


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