ラーソン アメリカ国務省次官補代理との懇談/3月22日、23日

対日直接投資の拡大を望む


国際企業委員会(委員長:石原秀夫氏)ならびに今後の日米協力を考える部会(部会長:上原隆氏)は、それぞれ、日米包括協議・対内直接投資ワーキング・グループ協議のために来日中のラーソン国務省次官補代理と会合を開催し、対日直接投資に関するアメリカの考え方につき説明を聞くとともに、日本の投資環境の改善点等を巡って意見交換を行った。

1.対日直接投資をめぐる米国の考え方
− ラーソン国務次官補代理

  1. 18カ月間にわたる日米政府間交渉で、在日外資系企業のプレゼンス向上に努めてきた。日米間の直接投資は依然不均衡である。対日輸出を増やし、対日貿易赤字を減らすためにも対日直接投資の拡大が必要だ。

  2. 外資系企業の対日直接投資の拡大は、新技術導入、流通・販売体制の効率化、活発な競争、内外価格差の解消など日本経済の活性化をもたらす。

  3. 対日直接投資に関わるアメリカ政府の要望は、以下の通り。
    1. 外資導入で政治のリーダーシップの発揮
      (対日投資会議やOTOの活用)。
    2. 外資系企業向けの資金調達手段の拡充
      (開銀融資の活用)。
    3. 税負担の低減、外資系企業に対する優遇 税制措置の拡充。
    4. 規制緩和の推進(タイムテーブルの明記)。
    5. M&Aの促進。
    6. 土地問題の解消。
    7. ローカル・スタッフ確保と本国からの人材派遣コストの低減。
    8. 民間のパートナーシップの確立。
    9. 他国間投資協定(MIA)の促進。
    10. 外資系企業の対日直接投資の実績の評価とフォローアップ。

2.懇談

  1. 持ち株会社解禁について
  2. ラーソン:
    アメリカは、純粋持ち株会社の解禁が日本の競争政策の弱体化につながると表明しているが、最終的な方針ではない。解禁を推進する経団連の意見を十分参考としたい。持ち株会社の解禁に関する経済効果分析や具体的利点等があれば聞きたい。
    経団連:
    経営の選択肢を広げるため、純粋持ち株会社解禁が必要。持ち株会社は企業法制の国際的ハーモナイゼーションに寄与する。分社化によりM&Aも容易になる。
    経団連は、規制緩和促進のためには現行の競争政策は不十分であり、独禁法の適用範囲拡大、公正取引委員会の機能強化等の措置が必要だとの立場をとっている。

  3. 日本企業による調達セミナーの開催
  4. 経団連:
    民間パートナーシップ確立のため、経団連では外資系企業を対象とする日本企業の調達方針の説明セミナーの開催を計画している。
    ラーソン氏:
    ACCJ、EBCと話し合って、進めてほしい。また、外資系企業の対日直接投資が、廉価で高品質な外国製品の購入を可能とする点を日本企業に訴えてほしい。


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