訪ASEAN(第2次)ミッション(団長 豊田会長)/4月10〜19日

今年、来年は日本、フィリピンの特別の年

─ ラモス大統領、豊田会長と懇談


フィリピン、マレーシア、インドネシアを訪問する経団連訪ASEAN(第2次)ミッションは、4月10日成田を出発し、最初の訪問国フィリピンのマニラに到着した。
ラモス大統領、主要経済閣僚など政府要人との懇談、マカティ・ビジネスクラブ、比日経済委員会との会合では、フィリピン側から経済の先行きに対する強気の見通しと自信が示されたほか、将来のさらなる発展のために日本の投資や支援が必要であるとの強い期待が表明された。一行は13日、次の訪問国マレーシアに向けて出発した。(次号詳報)

  1. フィリピンの状況
  2. フィリピンは、近年、ラモス政権の下で、政治や経済が安定したこと、外資規制の緩和を始めとする自由化、開放政策が採られたことなどにより経済は着実な発展を遂げている。投資誘致の大きな懸念材料であった電力事情も好転し、GNP成長率も、93年の 2.6%から94年には 5.1%に向上した。また、財政赤字も解消し、諸外国との貿易・投資関係も着実に拡大している。

  3. ラモス大統領と豊田会長との懇談
  4. ─ 4月12日 マラカニアン宮殿

    1.ラモス大統領発言要旨

    1. 今年、来年は日比両国にとって特別な年である。APECは、今年、日本で、来年は、フィリピンで開催される。日本がこれにどう対応するか関心を持っている。
      また、今年は太平洋戦争終戦50周年を迎える。フィリピンは、記念式典を開催する予定である。かつての同盟国にも参加してもらうが、日本にも参加してほしい。「21世紀の平和を勝ち取る」という未来に向けた戦いを行うことを誓うことが大切である。

    2. 東アジア地域の近代化のためには、サポーティング・インダストリーの育成が重要である。APECとして中小企業技術移転センターのフィリピン設置を提唱している。これについて、日本に期待している。

    3. 電力不足の解消については、BOT方式が大きな役割を果たしている。この方式を道路、港湾その他のインフラの分野に適用していく。

    4. 金融の自由化についても、外国銀行の進出を認めた。将来、保険、海運の分野についても規制緩和を行なっていく。

    2.豊田会長発言要旨

    1. 日本も大きな転機を迎えている。これまでの欧米に追いつき追い越せの時代は終わり、変革と創造の時代を迎えている。変革に向けて規制緩和を行うと同時に、創造力あふれる人材を育成する必要がある。

    2. 中小企業技術移転センターについては協力したい。

(本稿はクアラルンプール発の中間報告)


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