行革推進五人委員会/4月5日

行政改革の着実な実行を監視する


行革推進五人委員会(経済五団体の長で構成)では、行政改革委員会の活動を支援する観点から、同委員会の飯田委員長、竹中委員長代理を招き、今後の活動予定について説明を聞くとともに、意見交換を行なった。
飯田委員長は、行政改革委員会として、規制緩和をはじめ政府が約束した行革の実行を監視していくと表明した。

  1. 飯田委員長説明

  2. 飯田行政改革委員長

    1. 行政改革委員会は、昨年12月19日に首相の任命を受けて発足した。委員は5名、任期は3年である。その主たる任務は、従来の臨調・行革審のように政府の諮問に対して答申するというものではなく、政府の約束した行革の実行を監視することである。
      これまで、9回会合を開いて委員間の意見交換を行ない、2月23日には「行政改革委員会の当面の活動方針」を発表した。
      また、5月23日から、月1回を目途に地方公聴会を開催し、意見を聞く予定としている。

    2. 行政改革委員会の当面の最大の仕事は、規制緩和への取組みである。
      3月31日に規制緩和推進計画が閣議決定されたところであるが、これを、国民やマスコミに具体的に分かりやすく説明し、理解を得るとともに、政府には計画の実行を訴えていく。
      このため、委員会では、内部組織として規制緩和小委員会(仮称)を設けることにした。推進計画が毎年見直されることを踏まえ、メンバーは任期1年の参与としてお願いする予定である。

    3. これまでの臨調・行革審が手を付けてこなかった新しい課題としては、行政情報の公開に取り組む。2年以内に結論を出すよう求められており、3月17日に情報公開部会を発足させ、議論を進めている。

    4. 特殊法人の見直しは、過去の経緯もあって取り上げにくい問題であるが、日本輸出入銀行と海外経済協力基金の統合で全てが決着したとは考えていない。今後、政府、関係省庁の専門家の意見を聞き、的確に対応していきたい。

    5. 地方分権は、行政改革のテーマのひとつであるが、別途、地方分権推進委員会が設置されると聞いている。行政改革委員会としては、当面、同委員会の動向を注視していきたい。

  3. 懇談
  4. 稲葉 日商 会頭:

    行革の議論は第3次行革審の最終答申で尽きているとの考えもあるようだが、国民感情としては、まだ道遠しとの感がある。行政改革委員会は政府の実行を監視するとのことであるが、それだけで行革がうまくいくのか心配である。

    永野 日経連 会長:

    行政改革委員会は、政府が約束を実行するよう監視するとのことであるが、政府の約束とは何なのか分からない。例えば、前川レポート、平岩レポートなどは、首相の指示でまとめられたにもかかわらず、官僚組織は実行する気がない。行革推進五人委員会として支援するためにも、行政改革委員会は活動の方向と内容を明確にする必要がある。
    円高の急激な進行に伴って、雇用問題の深刻化が懸念されている。わが国は、国内に製造業を残しつつ、物価を引き下げ、安心して職を得られる社会の構築が求められている。行政改革委員会には、一刻も早い規制緩和推進計画の実行と、聖域のない改定に尽力いただきたい。

    速水 経済同友会 代表幹事:

    土光臨調は、民営化という方向が明確にあり、その効果も国民に実感できるものであった。行政改革委員会は活動の方向性が分かりにくく、テーマの重点化が必要である。
    規制緩和については、痛みを伴うものは実施困難とされたままであるが、痛みを乗り越えれば前向きな結果が期待される。今こそ痛みを乗り越えて取り組むべき最後のチャンスである。
    同時に民間においても、総論賛成・各論反対にならぬよう、業界団体・経済団体のリーダーには、マクロかつグローバルな立場・視点で行動することを求めたい。

    井上 関経連 行政制度副委員長:

    今般の規制緩和推進計画は、「経済的規制は原則自由・例外規制」からほど遠い。5年でこれだけしか進まないようでは、諸外国の笑い者になりかねない。本当に残すべき規制を官僚に列挙させ、その必要性を立証させるとともに、その他の規制は廃止すべきである。
    地方分権と規制緩和は密接な関係にある。地方分権によって、小さな中央政府が実現すれば、明治以来の官・民、国・地方のしがらみを断ち切ることが期待される。

    豊田 経団連 会長:

    今後重要なことは、規制緩和推進計画の着実な実行である。行政改革委員会は、個々の規制緩和方策の実施状況を月次ベースで確認し、できれば4半期毎に監視結果を公表していただきたい。
    併せて、それぞれの規制緩和の経済効果を具体的に示すことができれば、国民の理解も深まるであろう。
    さらに、計画の見直しにあたっては、年1度に限らず、逐次気付いた点を指摘し、改定を図っていただきたい。


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