喬石中国全人代常務委員長との懇談会(司会 三田副会長)/4月13日

社会主義市場経済の確立を目指す中国


経団連では、喬石中国全国人民代表大会常務委員長を招いて昼食懇談会を開催し、中国経済の今後の展望と21世紀に向けた新たな日中関係のあり方について懇談した。
喬石常務委員長は「改革・開放路線において後戻りすることはない。その過程では困難もあろうが、中国人民はこれを克服できる」と述べた。

  1. 喬石常務委員長発言要旨
    1. 中国経済は勢いよく発展している。昨年、財政や税制、貿易、投資、価格、流通、金融等の分野で行なった改革は順調に進んでおり、改革・開放と近代化建設の新たな局面を開くという所期の目的を達している。本年は第8次5カ年計画の最終年にあたり、われわれは96年から新たに始まる第9次5カ年計画に向けて準備を整えている。
    2. 中国は、持続的にかつ早く経済を発展させて、今世紀末までに社会主義市場経済を確立させることを目指している。対外開放も一層進むだろう。全人代としては、社会主義市場経済を裏付ける経済法規の整備を今期中に行いたいと考えている。
    3. 改革・開放の過程においては多少の困難もあろうが、中国人民はこれを克服することができる。トウ小平氏の思想は全ての中国人民の心に深く刻まれており、改革・開放路線において後戻りすることはない。断固として動揺することなく、この道を進んでいく。
    4. 中国経済発展のためには、平和的な国際環境と経済先進国からの支援・協力が必要である。中国の発展は関係諸国にもメリットとなり、世界全体の発展を促進するものである。決してアジア太平洋諸国に損害を与えるものではない。
    5. 中日両国は、隣国として天の時、地の利、人の和に恵まれ、友好関係促進にとって良い条件を備えている。これを活用して一層経済協力を進め、21世紀に向けてより良い両国関係を築くようお互いに努力したい。

  2. 懇 談
  3. 経団連側の「税制や金融制度等、政策の変更に際しては、外国企業に対しその内容をわかりやすく説明するとともに、十分な周知期間を設けてほしい」との発言に対し、喬石常務委員長は「政策変更に際して十分な説明と周知は確かに必要だ。ただ、一部の政策については事前に公にすることが難しいものもある」と答えた。また、経団連側から、最近の円高の日本経済に及ぼす影響について中国側に説明した。


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