サブサハラ委員会(委員長 笠原 幸雄氏)/4月12日

アンゴラ共和国との協力関係の強化に向けて


サブサハラ委員会では、アンゴラ共和国のモコ首相を招き、最近の同国の政治状況、日本との協力等について説明を聞いた。同首相は「アンゴラの真の発展のために、今まさに平和に向けて確実な一歩を踏みだしている。今後の経済開発にあたって日本の積極的な協力を得たい。」と強調した。以下はモコ首相の発言要旨である。


モコ首相

1.アンゴラの政治情勢

アンゴラは平和に向けて確実な一歩を踏みだしたといえる。独立以来、長きにわたって内戦状態にあったが、昨年11月和平協定が調印されるに至り、今後、第3次国連アンゴラ監視団(UNAVEM III)等の展開により武装解除も徹底され、近い将来われわれが待ち望んだ平和が訪れるものと確信している。

2.日本への期待

アンゴラは石油、ダイヤモンドなど豊富な鉱物資源を有しているが、未だ開発の途上にある。日本に対しては人的交流の拡大のみならず、資源の開発、インフラの復旧への協力などを大いに期待している。平和なくしてアンゴラの、ひいては南部アフリカ地域の真の発展はありえず、恒久的な和平の確立に向けて、できうる限りの協力をお願いしたい。

3.債務問題

内戦のため経済が極度に疲弊し、債務返済が滞っていた。日本政府からも問題の解決を強く要請されており、内戦も終結に向かいつつある現在、早期解決に向け、鋭意検討を行っているところである。


和平交渉の経緯

81年
UNITA(アンゴラ全面独立民族同盟)による攻撃が激化、以来内戦が継続。
89年1月
キューバ兵撤退監視のため国連アンゴラ監視団が活動開始。
90年4月
ポルトガル政府の仲介によりリスボンにおいて直接交渉が開始される。
91年5月
アンゴラ包括和平協定調印。第2次国連アンゴラ監視団が設立され、和平協定履行の監視および大統領選挙の監視を実施。
92年9月
大統領選挙、議会選挙実施。
UNITAは選挙の不正を訴え武力行使にいたり、戦闘全国的規模に拡大。
93年2月
アディスアベバの和平交渉は、UNITA側の不参加により失敗
93年4月
アビジャンの和平交渉もUNITA側が無条件撤退を拒否したため、5月に中断。
93年9月
安保理決議によりUNITAに対し制裁(石油および同物質、武器および同関連 物資の販売あるいは供給の禁止)が発動。
93年11月
国連の仲介により直接交渉(アメリカ、ロシアおよびポルトガルがオブザーバーとして参加)再開。
94年10月
和平合意文書への仮調印。
94年11月
和平合意文書への正式調印。
95年2月
和平プロセスを確実なものとするため、第3次国連アンゴラ監視団設立決定。

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