なびげーたー

経済界の考えを広く知らせる

広報部長 上田 惇生


経団連はNPO(非営利組織)である。活動や考えを広く知ってもらうことによって、成果は何千倍、何万倍にもなる。

経済活動は、1人ひとりの人間では限界がある。そこで企業がある。そして共通の利益のために基盤を整備する政府がある。

経済活動は具体的であって、その実情、機会、問題、展望を最も知るものは企業である。これを総意として広く知らせ、政府の施策に反映させることは、個々の企業の利益を越えた活動となる。経団連こそ、社会のために働くNPOすなわち非営利組織のひとつであると喝破したのは、社会生態学者と自らを位置づけるドラッカーだった。

せっかくの経団連活動を100%実りあるものとするためには、多面的な広報活動が不可欠である。そのハイライトが、原則月2回の会長記者会見である。そして世の中は、内外を問わず、政治・経済に大きなできごとがあれば、必ず経団連会長のコメントが求められる時代になっている。

経団連の考えは意見書にまとめられる。あるいは緊急提言にまとめられる。新聞やテレビで広く詳しく報じられることが、政策の実現に重要な意味をもつ。記者クラブに対する意見書レクは随時行われている。

会長・副会長、評議委員会議長・副議長あるいは委員長、部会長など、ありがたいことに経団連の首脳陣のマスコミへの登場は、内外の新聞雑誌の読者やテレビ・ラジオの視聴者の関心をひきつける。

経団連が、注目され報道される存在になってしまったからには、自ら見解を表明し、情報を出さなければ、想像によって、あるいは誤って理解されることになる。情報に真空状態はない。

経団連の活動を伝えるには自前の広報手段も必要である。『月刊 keidanren 』があり、本誌の『経団連くりっぷ』がある。週刊のファックス情報『経団連インフォメーション』がある。

今年からはインターネットを通じての情報提供も開始された。アクセス数は、1日500件、月間1万5千件に達している。すでに3割は、海外からのアクセスである。

また、経団連の広報担当セクションである広報部では、広報委員会、消費者・生活者委員会、共生に関する委員会、女性の社会進出に関する部会のほか、レファレンス・サービス、経済社会の基本構想づくり、各種フォーラムの開催を担当している。

これは、政策の立案、推進、実現には、立法府や行政府への働きかけに加え、マスコミ、学界、労組、シングル・イシューの諸々の団体、消費者・生活者との公式非公式の対話が欠かせないとの認識に立つ。

とはいえ、重要なことは中身である。経団連の活動についても、生産性や創造性、そのための継続改善やベンチマーキング、さらには「何をなすべきか」という基本的な問いへの答えが常に求められている。


日本語のホームページへ