経団連意見/5月16日
「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針(原案)」に対する経団連意見
別紙(抄)
- 現行指針においては「違反となるおそれがあるもの」の行為類型毎に<問題点>が示され、当該条項がどのような条件を満たした場合に違反となるのかの判断基準が、個別に示されていた。
一方、改定原案においてはこのような考え方が個別に示されていないため、事業者団体の活動を不必要に萎縮させる懸念が生じる。「原則として違反となるもの」と「違反となるおそれがあるもの」との境界線を明確にするため、現行指針と同様に、あるいはさらに具体的に各行為類型毎に<問題点>を明記していただきたい。
- 独禁法第2条では、事業者団体を「事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする」事業者の結合体または連合体と定義しており、改定原案では「事業者としての共通利益」を「構成事業者の経済活動上の利益に直接又は間接に寄与するものをいい、事業者個々の具体的利益であるか、業界一般の利益であるかを問わない」と説明している。しかし、極言すれば、事業者のほとんどの活動は経済活動上の利益の為に行われていると考えられるので、解釈によっては、あらゆる事業者の集まりが、事業者団体に該当する可能性がある。したがって、「事業者としての共通の利益」についての解釈をさらに明確にすべきである。
- 現行指針1−11では、安値品の買上げにつき、「違反となるおそれがあるもの」として「安売り業者の事業活動を妨害することとなる場合などは違反となる」とするが、改定原案では「価格制限行為の内容の実施を確保するため」の安値品の買上げが「原則として違反」とされている。両者には、法解釈・運用に違いはあるのか、明らかにされたい。
- 例えば、事業者団体が規格を設定する際には、特定の事業者を差別する意図はないものの、結果的に特定の事業者における既存の製品が、規格外として差別されることになった場合でも、違反とされうるのか。違法(不当)な差別についての具体的な例示を追加して説明していただきたい。
- 改定原案9−5について、例えば、構成事業者へ参考としての提供を目的とした情報についても、需要者に対して提供を行う必要があるのか。具体的にどのような状況を想定しているのか、示されたい。
また、過去の価格情報をとりまとめ提供する場合、「事業者間に現在または将来の価格について共通の目安を与えるような情報提供」とは、どのようなことを意味するのか大変わかりにくい。具体的にどのような場合なのか、事例を挙げて説明してほしい。価格の幅があまりないような場合はこれにあたるのか。
- 現行指針からの変更内容・理由も含めて、改定原案の9−4と9−5の差異、特に「公表」と「提供」の違いを明らかにしてもらいたい。(例えば、9−4と9−5で、情報開示が可能となる場合の条件の差異は何か、価格情報について9−4で説明されているような「公表」は禁止されるのか、さらには、価格情報について、現行指針では公表可能だが、改定原案9−5では情報提供が不可能となるのは、いかなる場合か、等を説明していただきたい。)
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