(1) 5月23日〜24日に開催されたOECD閣僚理事会では、「経済成長、雇用、社会的進歩」「多角的体制の強化」「OECDの将来」の3議題の下で議論が行われた。
第1の議題については、アメリカ、ヨーロッパの経済成長率がOECDの予想を上回り、加盟国全体の失業率も低下、インフレも安定基調にあるなどマクロ経済状況のポジティブな側面と、構造的失業、不安定な為替相場、保護主義の潜在的な強い流れなどのネガティブな側面とを踏まえ、物価安定や財政再建を目標とするマクロ経済政策、失業対策などの構造問題への対応がコミュニケに盛り込まれた。特に高齢化問題については、96年のOECD閣僚理事会までにとりあえずの報告を取りまとめることで意見の一致が見られた。
第2の議題については、
第3の議題については、非加盟国、特に市場経済への移行期にある諸国との関係強化が中心的な課題である。
(2) サミットは、6月15日〜17日にカナダのハリファックスにおいて開催される。今回、エリツィン大統領が2日目のディナーから参加する。経済問題としては、国際機関、特にブレトン・ウッズ機関、国連機関の見直しのほか、成長と雇用、貿易問題、環境問題、原子力発電所の安全性などが議論されよう。政治問題としては、不拡散問題、平和・安定に関する国際機関の役割、中東和平、ユーゴ問題、国際犯罪、人権問題などが話し合われよう。