北アフリカ委員会(座長 由布 震一氏)/5月24日

チュニジア共和国の経済情勢ならびに隣国からの影響について


北アフリカ委員会では、チュニジア共和国のガンヌーシ国際協力・外国投資大臣を招き、同国の経済情勢ならびに隣国の情勢が及ぼす影響等について説明を聞いた。同大臣は「わが国は、ここ数年大きな変貌を遂げるとともに、政治的・社会的に極めて安定している。日本企業の積極的な投資を期待している。」と強調した。

1.ガンヌーシ大臣発言要旨

1.チュニジアの投資環境
現在、チュニジアには800社以上の輸出関連の外国企業が進出している。主な理由としては
  1. 人口の60%以上が中産階級であること、
  2. 比較的多様化した生産物をもち、1962年以来年間5.2%のGNP成長率を誇るなど、経済発展の潜在力を秘めていること、
  3. EUとの間で自由貿易協定が締結されただけでなく、その他の諸国とも同様の特恵協定を既に結ぶなど、諸外国と積極的な協力政策をとっていること、
  4. 競争に耐えうる生産コストと良質の労働力を有していること、
などが挙げられる。今後、日本輸出入銀行と共同でわが国の投資環境を調査することが決定しており、結果については経団連にも伝えるつもりである。

2.隣国の及ぼす影響
隣国、特にアルジェリアからの政治的な影響はない。わが国は3000年前のカルタゴの時代より政治的に穏健な国であり、独立時も、血を流すことなくフランスとの交渉・対話により達成した。また、他のアフリカ諸国に先駆け1861年に憲法を発布するなど、改革による成果も着実に遂げており政治的・社会的に極めて安定していると自負する。

3.その他
フランスのシラク新大統領は、地中海南部のアフリカ諸国に強い関心を示しており特にわが国を「チュニジアの奇跡」と称し高く評価している。11月にバルセロナで開催される地中海諸国会議においては、シラク大統領の新ビジョンの下、新たな関係強化に向けた討議を行うが、わが国も地中海周辺諸国の治安の回復、経済成長の実現に向けて関係諸国との協力強化に努めたい。

2.質疑応答

経団連:
日本の総合商社の活動は、将来の投資に結びつくような重要な役割を果たしている。現在、チュニジアにおける商社のステイタスはテクニカル・アシスタンスという極めて制限的なものであり、十分な商社活動が行えない。商社のステイタスにご高配いただきたい。

大臣:
関係省とも話し合って期待に添えるよう対応したい。


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