WTO(世界貿易機関)の職員募集説明会/5月18日

WTO(世界貿易機関)が求める人材


本年1月より従来のGATTに代わり自由貿易体制の中心的国際機関として発足したWTO(世界貿易機関)は、日本における事務局職員募集に意欲的である。経団連では国際機関に対するわが国の人的貢献を側面から支援すべく、訪日中のロリアンWTO人事部長を招き、職員採用に関わる説明会ならびに面談を行なった。

  1. WTO事務局等概要等
  2. WTO加盟国は現在128カ国。職員は、専門職220名、一般職225名。経済や法律の専門家、言語スタッフ、事務スタッフ、会計・財務担当者などがおり、専門職のうち 100名程度が実質的な職務を担当する。

  3. 募集事務局員の条件
  4. WTO専門職として求められる人材は概して以下のとおり。
    1. 法律、経済などの学位を持つ人材。特に経済分析・調査担当者は博士号が必要。
    2. 国際通商などの場で5〜10年の経験を持つ人材。売買自体の経験ではなく、それらを司る法律・規則を知っている人材。
    3. 募集対象は、政府機関、研究所、法律事務所、民間企業である。実際に貿易ルールの適用を受ける民間企業からの人材募集をさらに積極的に行ないたい。
    4. WTOが関わるいずれかの分野での経験を持つ人材。GATTからの伝統的分野として、市場アクセス、関税、技術協力、また、アンチダンピング。新しくは、環境問題、知的所有権、競争法、サービス貿易、地域貿易協定に関係する経験がある人材。
    5. 現在WTOが最も人材を求めているスタッフのP-3レベルには、30〜35歳でWTOでキャリア積むことを希望している人物が適任。1任期は2年であるが、継続することは可能。企業からの出向という形態でも問題なく、その場合出向期間が3〜5年と理解される。

  5. 選択基準
    1. 専門的能力(最も重要)。
    2. 言語能力は英語が仕事上必須である他、仏語、スペイン語が公用語ということもあり、複数ができれば有利。
    3. 学歴および就業経験。

  6. 採用手順
    1. 現在、候補者リストには200〜300人の名前がある(3年間有効)。
    2. 空きポストが出ると、空席の連絡が各国大使館等へ通知され、上記候補者リストおよび新規申し込み者リストの中から1ポストあたり100名程度の候補者リストを2カ月で作成。それを書類選考によって5〜6名に絞り、ジュネーブにおいてパネル形式の面接を実施。事務局内の人材選択委員会で審議し、最終的に1名に絞る。空席の連絡を行なってから事務局長が正式採用を決定するまで6〜9カ月間かかる。
    3. 専門性を高めるため、部署間の移動はあまりない。


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