マンデラ 南アフリカ共和国大統領歓迎午餐会/7月4日

マンデラ大統領、日本との経済関係の強化・拡大に大きな期待感を示す


経団連は、日本商工会議所、日本経営者団体連盟、経済同友会、日本貿易会とともに、南アフリカ共和国のマンデラ大統領歓迎午餐会を開催した。席上、同大統領は新生南ア誕生以来の2国間関係の拡大・深化を歓迎し、これを一層拡充する必要性を訴えるとともに、アフリカ全体の発展のために日本のさらなる協力を期待する旨表明した。以下はマンデラ大統領の挨拶の概要である。

 マンデラ大統領

  1. 南アの現況
  2. 今日、世界の多くの企業が積極的に南アに進出している。欧米の企業は食料加工部門、自動車部門や化学薬品部門に進出しており、他方、韓国、マレーシア、シンガポール等のアジア諸国の企業も製造業のほか観光開発の分野へ急速に進出しつつある。
    多くの企業がこれほど南アに関心を有する理由には、関税の段階的な引下げを予定するなど投資環境が整いつつあることや、南アに豊富な天然資源と人的資源が存在することなどが挙げられる。
    南アは今まさに民主主義と平和を追求しアパルトヘイト後の政治の安定、経済開発に努めており、南部アフリカ地域のリーダーとして同地域の復興と開発を率先して推進する所存である。ひいては、これがアフリカ全体の繁栄に結びつくものと確信している。

  3. 日本に対する期待
  4. 新生南ア誕生以来、日・南ア二国間関係はさまざまな分野において拡大・深化している。昨年日本政府は南アの復興と開発のため13億ドルの経済支援パッケージを表明したが、今年4月には一般特恵関税の供与等を決定するなど、かかる日本政府の積極的な支援を多とするものである。
    しかし、政府のみの支援には限界があり両国の民間部門の知恵が求められている。南アの貿易パートナーとして日本は第4位であるが、その可能性からみると未だ十分とは言えない。また、国民の多くが日本製品を愛用しているが、南アに直接投資している日本の企業は極めて少ない。経済インフラ、すなわち道路、港湾、電力供給システム、更に証券取引所なども整備されており、南アは経済発展のポテンシャルを有している。日本企業の投資チャンスとしては金属・鉱物資源の開発およびその加工産業であり、人材育成、品質管理等の面における協力が求められている。日本からの資金調達のため今年5月、サムライ・ボンドを発行した。
    両国間の経済関係の更なる拡大は相互に利益をもたらすものであり、日本の官民をあげての支援を強く期待している。


日本語のホームページへ