社会貢献推進委員会・国際文化交流委員会合同委員会/7月11日

企業の社会貢献活動・国際文化交流活動の状況について報告


社会貢献推進委員会・国際文化交流委員会合同委員会では、先般の阪神大震災に対する1%クラブ(会長 若原朝日生命保険社長)などの救援活動について説明するとともに、最近の両委員会の活動状況などについて報告し、意見交換を行なった。なお本会合では国際文化交流委員会の高丘新委員長(経団連副会長、西友会長)からの新任の挨拶とともに、西尾前委員長(第一生命保険会長)から退任の挨拶が述べられた。

  1. 社会貢献推進委員会の活動状況等
    1. 企業の社会貢献活動について
      −椎名武雄社会貢献推進委員長
    2. 椎名社会貢献推進委員長

      最近では、阪神大震災でみたように市民レベルでのNPO(非営利団体)活動が活発化している。今後はこうしたNPO・企業・行政がそれぞれ連携しながら社会貢献活動を推進すべきである。

    3. 阪神大震災に対する救援活動について
      −若原泰之1%クラブ会長
    4. 1%クラブでは、大阪ボランティア協会など市民団体と連携して、被災地の人々を「応援する市民の会」を結成して救援活動を行なってきた。当クラブが日頃からボランティア団体との緊密な関係があっため、このような迅速な対応が可能となった。
      また被災地のニーズが刻々と変化したため、事務局スタッフを現地に常駐させ、現場情報を「経団連震災救援ニュース」を通じて経団連会員に提供するとともに、支援をお願いした。その結果、各企業から物資、施設の提供、資金の支援、企業人ボランティアの参加などのご協力をいただいた。

    5. 専門部会の活動状況について
      1. 青木社会貢献基盤整備専門部会長(明治生命保険)
        阪神大震災を契機に、政府では五十嵐官房長官の指示により新しい非営利法人制度に関する立法化が検討されつつある。与野党でも同制度に関する議員立法の動きが出てきた。当専門部会では、この新しい非営利法人制度が成熟した市民社会にふさわしい内容となるよう検討を進めている。

      2. 島田ボランティア専門部会長(日産自動車)
        当専門部会では、企業とボランティア団体との関係のあり方を検討してきた。その結果を中間報告としてとりまとめたが、企業とボランティア団体では、その基盤とする価値観が異なる面があるので、互いに相手方を尊重して共働していくことが重要である旨を述べている。また、ボランティア活動を人事評価の項目とすることの弊害も指摘している。
        今後は、企業人OBのボランティア活動の支援、ボランティアに関する企業人の理解の促進、企業とボランティア団体を結ぶコーディネーターの育成などについて検討を進めていきたい。

      3. 土井社会貢献情報交流専門部会長(松下電器産業)
        当専門部会では、外部の有識者からヒアリングを行うことにより、企業の社会貢献活動に関する理解を深めている。これまでは、経営トップからみた企業の社会貢献活動、阪神大震災に対する各社の救援活動、日本の高齢者介護の現状についてヒアリングを行なった。今後は福祉の問題に焦点を当てて活動を進めたい。

  2. 国際文化交流委員会の活動状況
    1. 経団連の国際文化交流活動について
      −高丘季昭国際文化交流委員長
    2. 高丘国際文化交流委員長

      当委員会では、今後のアジア諸国との良好な関係を築いてゆく観点から、アセアン諸国を対象に、現地の日本人商工会議所と連携して、奨学金の支給や日本への招聘事業などの文化交流プロジェクトを推進している。今年5月にフィリピン高校教師の日本招聘事業を実施することにより、当委員会が目指してきたアセアンプロジェクトがひと通り完成した。

    3. 企画部会の活動状況について
      −永井前企画部会長(第一生命保険)
      1. 企画部会では、国際文化交流の課題に関し6人の有識者からヒアリングを行なった。そこでは、円高の進展などで日本企業の東南アジアへの進出が加速することが予想されるため、国際文化交流の重要性が高まっているとの指摘が多かった。

      2. 今後の具体的活動などを検討するため、企画部会メンバーで経団連ゲストハウスにおいて合宿を行なった。そこでは、経団連が企業の国際文化交流促進のための啓発活動や情報の蓄積を引き続き行うことは重要であるとの意見が大勢を占めた。

      3. こうした検討に基づき、当企画部会では今年の5月に、「国際文化交流委員会・新3カ年活動方針のアクションプログラムについて」をとりまとめた。そこでは、
        1. 現行のアセアンプロジェクトを継続すること、
        2. 新たなプロジェクトのニーズの発掘については定期的な勉強会を実施すること、
        3. 国際文化交流の重要性を幅広くキャンペーンするシンポジウムを開催すること、
        などが決定された。

  3. 1%クラブの活動状況
    −若原1%クラブ会長
    1. 当クラブは「1%クラブニュース」の発行、チャリティ・フェスティバルの開催、社会貢献活動のコンサルティングなどを通じて企業の社会貢献活動を推進している。

    2. このような活動をより多くの方々に理解いただくため、昨年度は、企業ならびに市民の社会貢献活動に関するシンポジウムを東京と大阪で開催した。今年度も9月28日に、「いま、地域社会の一員として −私たちに求められる社会貢献」をテーマに、第3回のシンポジウムを名古屋で開催する。


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