経団連自然保護基金運営協議会(会長 後藤康男氏)/7月14日

1995年度支援プロジェクトを決定


自然保護基金では、内外のNGOが発展途上国において実施する自然保護プロジェクト、および自然保護に携わるわが国人材の育成に関わるプログラムを支援してきている。
本年度は、7月14日のプロジェクト認定委員会において、44件の申請プロジェクトのうち、計32件(継続10件、新規22件)、総額1億2,000万円余を支援することを決定した。
詳細は以下の通り。

1.昨年度からの継続プロジェクト(10件)

  1. タイ野鳥の会への人材派遣と組織育成
    タイ野鳥の会に人材を派遣し、保護活動のノウハウを提供する。
    <(財)日本野鳥の会>

  2. タイ森林保全プロジェクト
    土壌荒廃の進む東北部の山岳地域で、植林と自然農法を進める。
    <日本国際ボランティアセンター(JVC)>

  3. ベトナム高地での森林育成
    南部の高原地帯で樹草木の植林を進める。
    <(社)日本国際民間協力会>

  4. ベトナム環境保全型農業開発
    中部の山岳地帯と海岸白砂地域で農業の多様化を進め、環境保全を図る。
    <JVC>

  5. パレスチナ植林と農業育成
    ヨルダン河西岸で植林するとともに、伝統的複合農業を確立する。
    <JVC>

  6. インドネシア・スラウェシ島における自然保護
    国立公園と周辺の地域コミュニティーの発展を考慮し、自然保護活動を進める。
    <ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC/アメリカ)>

  7. インドネシアの薬用植物保護による国立公園保護
    東ジャワの国立公園で各種薬効植物の栽培・保護を中心とした国立公園の保護管理活動への地域住民の参加を促す。
    <インドネシア熱帯環境研究所(LATIN)>

  8. ソロモン諸島における自然保護
    アーナボン群島における稀少生物種(タイマイ等)の生態系の保護活動を進める。
    <TNC>

  9. エクアドル・タグア・プロジェクトとアジア太平洋自然保護地場産業育成プロジェクト
    地場産業を育成し、現地住民が熱帯林や珊瑚礁を破壊しなくとも生活できるための手段を確保することにより自然保護活動を進める。
    <コンサベーション・インターナショナル(CI/アメリカ)>

  10. タンザニアでの緑化と自然農法普及
    自然農法の普及のための農場を設立し、住民生活の向上を図る。
    <地球緑化の会>

2.今年度からの新規プロジェクト(22件)

  1. 東南アジア地域オオヅル保護
    タイ・ミャンマー・ベトナム山岳部に生息する稀少なオオヅルの保護のための調査・啓蒙活動を行う。
    <国際ツル財団/アメリカ>

  2. 中国三峡ダム周辺地区の生態系保護
    生態系の調査を行い今後の保護に結び付けていく。
    <(社)国際善隣協会>

  3. 中国トキ保護
    中国トキ保護センターの設備等の支援を行う。
    <(財)日本鳥類保護連盟>

  4. 中国内蒙古自治区での植林事業
    砂漠でポプラなどの植林を行う。
    <日本沙漠緑化実践協会>

  5. タイ・マングローブ研究所の設立
    マングローブ研究所設立のための資機材の支援を行う。
    <タイ・マングローブ植林大作戦連絡協議会>

  6. タイ沿岸部におけるマングローブ植林活動
    パンガ県において植林活動を行う。
    <日本マングローブ協会>

  7. インドネシア・オランウータン保護
    ボルネオ島東部の熱帯林地域においてオランウータンの生息地を中心に生態系の保護を進める。
    <日本・インドネシア オランウータン保護調査委員会>

  8. インドネシア自然保護プロジェクト
    ブル島に自然保護区を設定し、鳥類を指標とした生態系保護活動を行う。
    <バードライフ・インターナショナル/イギリス>

  9. ベトナム・デルタ地帯の湿地保護
    湿地保護を目的とし、環境破壊をしないエビ養殖のあり方を探る。
    <地球の友日本支部>

  10. ベトナム森林保全型農業開発
    北部の森林地帯で環境保全型農業を普及させる。
    <天然資源・環境問題研究所(CRES)>

  11. マレーシア「湿地と開発に関する国際会議」開催支援
    <国際水禽湿地調査局(IWBP)日本委員会>

  12. フィリピン・スービック環境研修センターにおける研修プログラム
    <WWF−フィリピン>

  13. フィリピン高地の森林保全と農村開発
    ネグロス州高地の森林保護と生活向上のため環境保全型農業の開発・普及を図る。
    <フィリピン・ビジネス社会開発財団>

  14. ネパール湿地保護プロジェクト
    地域コミュニティーを巻き込み、2つの湖を保護する。
    <IUCNネパール支部>

  15. ブラジル・ファクシナルシステムによる植林と土壌回復
    総合的土壌回復手法により地域の環境回復を進めるとともに、住民への環境教育を行う。
    <熱帯林研究所/ブラジル>

  16. パプアニューギニア自然保護
    ニューブリテン島キンベ湾とその周辺地域において自然保護を行う。
    <TNC>

  17. パラオ自然保護プロジェクト
    エコ・ツーリズムなど地元経済発展と両立した手法によりジュゴンなど貴重な海洋生態系の保護活動を行う。
    <パラオ自然保護協会>

  18. コロンビア・マカレナ熱帯林での人材育成
    熱帯林保護区に同国と日本の研修者を派遣し、自然保護人材の育成を図る。
    <コロンビア・マカレナ地域の熱帯雨林を守る会>

  19. コスタリカ・生物多様性研究の支援
    国立コスタリカ生物多様性研究所の行う全生物群の目録作りを支援する。
    <にっぽんこどものじゃんぐる>

  20. 生物多様性啓発プログラムの小冊子作成
    <スミソニアン協会/アメリカ>

  21. エコツーリズムのガイドライン集作成
    <EAST・WESTセンター/アメリカ>

  22. 「世界の資源と環境」ティーチャーズガイドのベトナム語・中国語版作成
    <世界資源研究所/アメリカ>


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