経済社会環境が激変し、新たな発展段階へ向けた模索が続くなか、道経連では「21世紀に向けた北海道の指針」をとりまとめ、今後の北海道の役割として、
北海道経済は、資源供給地として開発が進められた結果、1次産品を素材とする加工業が中心となり付加価値が低い。しかし、農林水産資源を基盤とした高付加価値化への取組み、情報通信関連産業の集積、産業基盤整備や企業誘致努力の結果、加工組立型や技術先端型産業、民間研究所などの立地が活発化しつつある。新たな時代へ向けた北海道経済社会を創造するには、
本年4月に道経連がまとめた「21世紀へ向けた北海道の指針」では、特に以下の点について考慮するよう求めた。
グローバル化の進展の中で、本年5月に経団連がとりまとめた「今後の空港整備のあり方−大規模拠点空港に重点を置いた空港整備計画の策定を求める−」は時宜にかなったものであり評価できる。
新千歳空港は低コストで拡張が可能であり、増大するわが国の航空需要に鑑みれば、その果たす役割は大きい。現在政府で検討中の第7次空港整備五箇年計画においても、新千歳空港が方面別ゲートウェイ空港として位置づけられ、引き続き機能拡充が行われるよう経団連の支援を得たい。
北海道の産業構造を高度化し、経済の自立を遂げる観点から、気候、風土が似ているフィンランドの産業高度化の事例が参考となると思われる。
フィンランドでは、まず比較優位性を有する産業を選定し、その高度化を図ったうえで、その関連産業を誘致し、集合体としてさらに集積を進めていくという「産業クラスター」という手法を採り入れている。 北海道では、既に低コスト化が進んでいる農業を中核産業とし、農業機械、食品加工などの関連産業の集積を図る「農業クラスター」の構築が考えられる。
そこで道経連では、食料関連産業委員会の中に「農業クラスター研究会」を設け、具体的な検討を行う一方、農業以外の「産業クラスター」の可能性についても検討を深め、わが国の産業政策の牽引役となるべく努力することにしている。