1%クラブ会員懇親会(会長 若原泰之氏)/7月18日

広く社会に目を向けた会員の活動はますます充実


法人、個人会員約150名が参加した1%クラブ会員懇親会では、クラブのあり方や日頃の活動について会員相互の意見交換を行なった。また、新宿区原町にある特別養護老人ホーム「原町ホーム」の前施設長荒巻氏からは、「ボランティアは職員労働の単なる肩代わりではない。ボランティアとしての関わりにはさまざまな方法がある」とのお話をうかがった。その後、カクテルパーティで親睦を深めた。

  1. 若原会長挨拶要旨
  2.  若原1%クラブ会長

    不幸にも発生した阪神・淡路大震災における救援活動では、会員からさまざまな形で多くのご協力をいただいた。この場を借りて厚く御礼を申し上げる。
    当クラブでは、自分の家庭あるいは会社だけではなく広く社会に目を向け、お金あるいは時間の1%以上を住みよい社会作りに役立てようと呼びかけてきた。会員数は法人会員242社、個人会員655名を数えるに至り、今後とも多くの方々に入会していただきたいと考えている。ただ保険の契約と同じく、趣旨を十分に理解しないまま、例えば義理で加入したとしても長続きはしないだろう。クラブの意義に心からご賛同いただける方々に会員になっていただきたいと考えている。
    厳しい経済状況の中、法人会員は地道に社会貢献活動を継続している。また個人会員の方々は日々の生活の中でさまざまな活動をされている。今後とも会員の皆様の協力を得ながらクラブの拡充・発展に微力を尽くしていきたい。

  3. 活動についての意見交換
  4. 和田龍幸1%クラブ世話人会幹事の就任挨拶の後、事務局から1%クラブの活動状況について説明を行い、会場からは以下の意見があった。
    1. 例えば環境問題など、社会ではさまざまな問題が起こっているが、それぞれについて1人で何か行動を起こすことは難しい。1%クラブは法人会員と個人会員が一同に会している団体であり、その特色を活かした活動が行えるようにしていくべきだ(個人会員)。
    2. NGOなど、市民団体の情報を企業に伝える機会は非常に少ないが、1%クラブでは『1%クラブNEWS』などを通じて活動を知っていただく場が提供されている。会員の方々には今後とも市民団体の活動を理解していただき、また積極的にかかわっていただきたい(寄付対象団体)。
    3. 法人会員として今年の始めに1%クラブに入会し、「寄付対象団体リスト」を参考にして数団体に寄付を行った。手分けして実際に現場を回ったが、新鮮な感動があった。また外国コインやテレホンカード収集など、社内で気軽にできる社会貢献活動が盛り上がってきた(日邦産業)。

  5. 荒巻 操氏講演要旨
  6. 「原町ホーム」は新宿区にある特別養護老人ホームで、ちょうど10年前に開園した。何らかのお世話が必要なご老人50人が生活している。当時山手線内で特別養護老人ホームができるのは非常に珍しかったこともあり、まわりの地域の方々がボランティアとして来てくれるようになった。地域でのネットワークがだんだんできあがり、年に一度はボランティア間で交流会を持つようになった。
    開園して5年ぐらいたって、企業とのかかわりが生まれた。ある企業からボランティアをしたいという申し出があり、毎週シーツやリネンの交換などをやっていただいている。
    ボランティアを通じて、職場では見ることができなかった上司や同僚の新たな側面を発見できるようだ。また、「原町ホーム」ではなるべく規制や上下関係をなくした施設運営を心掛けているため、企業の方が訪れてほっとしてもらえるらしい。逆に施設としても、企業の方々の効率的な働き方、時間配分から学ぶ点が多い。
    ボランティアはあくまで自主的な活動であって、職員労働の肩代わりではない。例えばご老人の麻雀のお相手なども意義のあるボランティアだ。また今回、1%クラブの個人会員の方に10年分のビデオの編集をやっていただいたが、このようにわれわれが不得意な分野でボランティアとしてかかわっていただけると大変ありがたい。


1%クラブ世話人会

7月18日、会員懇親会に先立ち、若原泰之会長、豊田章一郎世話人他8名が参加して、1%クラブの運営・活動方針を決定する世話人会が開催された。
同会合では、世話人会新幹事に和田龍幸経団連常務理事を選任するとともに、活動状況、世話人会の拡大について懇談した。同会合の模様は以下の通り。

1.事務局説明
  1. 現在会員に対しては、「寄付対象団体リスト」 や『1%クラブNEWS』などで情報提供を行なっているが、『1%クラブNEWS』は6月号(23号)から紙面を刷新した。「世話人インタビュー」の連載開始など、今度とも内容の充実を図る。
  2. これまで企業の社会貢献に関するシンポジウムを東京と大阪で開催したが、9月28日(木)には第3回シンポジウム「いま、地域社会のいち員として〜私たちに求められる社会貢献〜」を名古屋で開催する。名古屋地区の支社などに参加を呼びかけていただきたい。

2.世話人の意見
  1. 阪神・淡路大震災における支援活動は、地元市民グループとの連携が成功の一因であった。今後とも日頃から市民グループや草の根団体との接点を大事にしてほしい。
  2. 1%クラブについては、「1%」を強制的に拠出せねばならないと誤解している方々が多い。クラブの趣旨をより多くの方々に理解していただく必要がある。

3.世話人会の拡大について
世話人会は、現在11名の世話人ならびに幹事で構成されている。今後、より多くの方々に運営にかかわっていただくため、世話人の数を20名に拡大することが決定された。


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