豊田会長の一言


8月3日(木)

財政審総会後の記者会見

(トヨタ自動車はじめ民間企業の知恵を財政運営に活かせないか、との質問に対し)
「トヨタは最近成績が良くないので、業績好調な会社に聞いてほしいが、いずれにせよ、会社でも巨額の借金を抱えてしまうと、利払いだけでも大変である。
ここ数年で国債残高は急増し、諸外国と比較しても、日本の財政事情は大変悪化している。歳出・歳入両面にわたり、根本から見直す必要がある。
科学技術の面では、わが国は遅れをとっており、予算の重点配分が不可欠である。予算が抑えられていた頃の大学の施設は、粗末なものだったが、最近改善しつつある。科学技術分野にもっと眼を向けて、これを日本経済活性化への有力な手段としていく必要がある。」

8月4日(金)

名古屋における地方経済審議会後の記者会見

「現在、特にサービス産業分野での情報化が遅れており、国際競争力がない。情報化にはハードとソフトの両面があり、愛知ではハードを作っている会社もあり、既存産業も情報化に取り組むことにより能率を向上することができる。
情報化は、(新幹線のぞみのように)頭上を通過してしまうものではない。」

8月9日(水)

ワイツゼッカー前独大統領を昼食懇談会に招いて

「国際情勢は目まぐるしく変化しているが、その象徴が1989年11月のあの劇的なベルリンの壁崩壊である。テレビのブラウン管を通して伝えられる光景を前に、ドイツがひとつになって自由な平和国家として再スタートすることを喜ばしく感じたことを忘れることはできない。
大統領は、『過去に目を閉ざす者は、結局のところ現在にも盲目になる。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいものだ。』と語られた。私どもとしても、この言葉を肝に銘じて過去をしっかり見直し、改めるべき点は率直に改め、将来の平和で豊かな国際社会を築きあげていくために努力したい。」

8月23日(水)

ユニバーシアード福岡大会開会式(組織委員会会長として)

「今日、世界の一部ではなお紛争が続いているが、第2次世界大戦が終わり、50年目にあたるこの夏に、人種、民族、宗教などの違いを超え、全世界の若人が一堂に集うことができたことは、大変意義深い。
『スポーツはかるく国境を超える』の大会スローガンのもとに、参加された一人ひとりが交流を深め、友情を確かめあい、平和の尊さを世界に向けて発進していただくことが私たちの願いである。」

8月30日(水)

アメリカ上下両院議員との懇談会

「戦後、日本は、アメリカから民主的な制度を学び、資金的援助を受け、またデミング博士から品質管理、生産管理を学んだ。ビッグ3からも多くのことを学び、それが今日の基礎になっている。そのオープンで寛容な精神を忘れてはならないし、ベンチャービジネスや規制緩和などこれからも学ぶべきことが沢山ある。こうした気持ちを大切にし、言ったことは必ず実行することを基本として、アジア太平洋地域の発展に努力していきたい。」


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