サブサハラ委員会(委員長 笠原幸雄氏)/9月5日

ジブティ共和国グーレッド・アプティドン大統領、日本との経済交流の進展を期待する


サブサハラ委員会では、来日中のジブティ共和国グーレッド・アプティドン大統領を招き、懇談会を開催した。同大統領は、「ジブティはアラブとアフリカの十字路に位置し、古来より通商国家として栄えてきた。経済発展に向けて、今後日本との経済交流が深まることを期待する」と述べた。
以下はアプティドン大統領の説明の概要である。

1.ジブティの重要性

紅海の要衝に位置するジブティはアラブとアフリカの十字路にあり、古来より重要な通商国家として栄えてきた。1917年にジブティ・エチオピア間に鉄道が開通し、さらにソマリアへも道路が建設されるなど、今日でも東アフリカ諸国へのアクセスにおける重要な拠点となっている。

2.経済の特徴

ジブティ港は、1950年より輸出加工地区となり、以来東アフリカおよびアラブ諸国のコンテナ港、石油備蓄港として重要な役割を担っており、その周辺の5000万の住民の生活を支えている。今後、港湾設備の拡充を図り、フリーゾーンとしての性格をさらに強化していきたい。
さらに、ジブティはドルとリンクしたアフリカでも数少ない交換性をもった通貨を使用しており、また金融も含めた海外からの投資に一切制限を設けないなど、自由経済の原則を貫いている。

3.東アフリカ諸国との関係

ジブティは政治的に安定しており、東・南部アフリカ共同体のメンバーの一国としてアフリカ東部の発展に力を注いできている。1993年10月に東京で開催されたアフリカ開発会議のフォロー・アップとして、東アフリカ諸国との連携を強化し、この地域の経済発展に向けて民間の活力を導入するため、日本、欧米などの企業に積極的に働きかけていくつもりである。

4.難民、移民問題について

難民にはいろいろある。国連難民高等弁務官事務所に登録されている難民と、そうでない不法に入ってきたいわゆる移民がいる。隣国のエチオピア、ソマリアからの難民、移民に手をやいている。すなわち、これら難民の医療費の70%をわが国が負担するなど関連支出が大きいからである。国連など国際機関からの援助は極めて少ない。緒方高等弁務官や日本のNGOからいろいろな形で協力いただいており、大変感謝している。今後、IMF・世銀にも協力要請するつもりであるが、日本の協力を引き続きお願いしたい。

グーレッド・アプティドン大統領と握手する笠原委員長


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