中南米委員会(共同委員長 宮岡公夫氏)/9月12日

ペレス・バヤダレス パナマ共和国大統領を迎え歓迎午餐会を開催


中南米委員会では、政府公式招待により来日中のペレス・バヤダレス パナマ共和国大統領を迎え歓迎午餐会を開催した。
以下はペレス・バヤダレス大統領の講演の概要である。

ペレス・バヤダレス大統領と宮岡共同委員長

  1. 投資環境の整備

    日本とパナマとの関係は非常に良好であると認識している。今後、更に両国の交流を拡大したい。
    多くの日本企業が海外投資をする上で、また、金融、貿易上の拠点として、パナマに進出している。そのおかげで、われわれは日本企業の勤勉さを学ぶことができる。パナマは現在、大きな転換期にあるが、日本はパナマ国民にとって良い模範である。
    われわれの第1の目的は経済近代化である。そのため、国内市場を開放し、外国投資に適切な条件を整えるための種々の法律が承認されている。労働関係法規も改正され、労使関係も、より近代的な視点に基づくようになった。これにより、労使関係から生ずるコストも削減されている。
    また最近、税制面の不公平を撤廃する法律が承認された。関税による保護を含めたあらゆる特権がない形で民間部門の効率と生産性を高め、競争力を向上することができると期待している。また、知的財産権をより保護するための法律も検討中である。
    パナマは内外の投資家に対し、適切な投資環境を整備した。

  2. 返還される運河地帯の開発

    パナマ運河協定により、大きな可能性が開かれている。米軍の基地が使用していた運河地帯の財、土地、水等がパナマに返還される。この地域、施設を、貿易、工業、観光のみならず、教育訓練、研究センターとして開発するプロジェクトを検討している。また、先週、エクアドルの首都キトーで開催されたラ米サミットでは、これら施設を麻薬対策のセンターとして提供する用意があると提案をした。
    米軍基地の返還は既に始まっている。一連の協定に基づき、順次返還されていき、1999年12月31日に全基地が返還される。
    運河地帯の管理、所有、維持は全て両洋間地域庁によって行われる。同庁は充分な権限を有し、貸借、コンセッション、販売を効率的に行うことができる。長官は、ニコラス・バルレッタ元大統領である。

  3. 運河移管への周到な準備

    協定に基づき、運河の管理権も今世紀最終日にパナマに移管される。われわれは、運河管理権を100 %持つことにより、多大な責任が生じることを充分理解している。
    パナマは、運河の管理への関与を漸次的に増大してきた。各協定の発効後、運河管理国としての責任を全うできるよう、パナマの人員を訓練し準備している。現在、運河の従業員の90%がパナマ人であり、運河管理会社の最高責任者もパナマ人である。
    先週、クリントン米大統領と、また昨日は村山首相と会った。この結果、パナマ運河の将来の拡張の可能性について分析、検討する必要があるとの点で3人とも一致した。クリントン大統領とは、運河の移管を秩序ある方法で確実に行うため、2000年以降、運河を運営する従業員は、98年には既にそのポストに就いておらねばならない旨取り決めた。

  4. パナマ運河国際会議

    パナマ政府は、97年9月にパナマ市でパナマ運河国際会議を開催することとしている。この会議には、各国政府、国際機関の他、運河利用者にも参加してもらい、運河の将来について戦略的に検討してもらいたいと考えている。日本の海運業界の皆様の経験と知識を分かち合ってほしい。それを、移管後、米国の法律、規則に代わるパナマの法律、規則に充分反映させたいと考えている。
    この会議では、21世紀以降の交通の見通し、それに対する融資、運河の管理と運営に関する種々の点について話し合いたい。
    パナマは、同会議への日本の参加が非常に重要だと考えている。日本は重要な役割を果たしており、他の国が代わることのできない役割だと考える。昨日、村山首相がこの考えに非常に関心を示されたことを嬉しく受け止めている。
    是非、変革の途上にある、近代化に向けて飛躍したいと考えているパナマを見て欲しい。パナマ人は、日本に対し、親愛の念と敬意を有している。

豊田会長とも懇談


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