国民の食生活の変化や円高の進行、輸入自由化等により農産物輸入が急増し、供給熱量自給率は92年度で46%にまで低下した。
近年、耕地面積は減少し、耕作放棄地も増加している。農業労働力も減少を続け、高齢化の進行もあり農業生産基盤は脆弱化する傾向にある。
他方、緩やかながら農地の賃借を中心に大規模化も進みつつあり、法人化等により経営能力強化に取り組む動きもある。
多くの農産物については、再生産の確保と物価の安定を図る観点から、各種の価格安定制度が設けられてきた。生産性向上や需給事情の変化により、近年行政価格は抑制的に推移してきたが、依然としてわが国の食料品価格は海外に比べ平均3〜4割程度割高になっている。その背景には (1)為替レートの変動、(2)国土条件の制約、(3)人件費、地価、エネルギー価格の高さなどがあることも留意する必要がある。