大気水質等タスクフォース(座長 樋口敬一三菱化学常務取締役)/9月19日、28日

有害大気汚染物質に関し、大気汚染防止法改正による新たな規制導入の動きへの対応


環境庁では、第四次水質総量規制と有害大気汚染物質対策を中央環境審議会の水質部会と大気部会に諮問した。特に、有害大気汚染物質対策については対象物質を一挙に約250物質に拡大するとしており、企業活動に多大な影響を与えることが予想される。経団連では、このような動きに対応すべく、環境安全委員会地球環境部会の下に大気水質等タスクフォースを新設し、産業界としての対応策の検討を開始した。
以下は環境庁が検討している有害大気汚染物質対策の概要である。

  1. 大気汚染防止対策の現状
  2. 現在の大気汚染防止対策は、工場等における事業活動に伴って発生するばい煙や、自動車排出ガスなどに対する規制としてSOxとNOxを中心に進められている。

  3. 新たな大気汚染物質
  4. 従来からの規制対象物質に加えて、
    1. 低濃度・長期暴露によって健康影響が現れる可能性が否定できない、
    2. 物質の種類が多く、性状が多様である、
    3. 発生源および発生形態が多様である
    という特徴を持つ有害大気汚染物質(250物質ほど)を新たに規制の対象に加えるべく検討している。

    具体的な対象物質としては以下の5種類の物質とされている。

    1. 金属および半金属(カドミウム、水銀、ニッケル、砒素等)
    2. 吸入性鉱物繊維(石綿、グラスファイバー等)
    3. 無機ガス(塩素、シアン化合物、フッ素化合物、ホスゲンなど)
    4. 有機ハロゲン化合物(塩化ビニル、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタン、ダイオキシン類、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等)
    5. その他の有機化合物(アクリロニトリル、アルデヒド類、多環芳香族炭化水素〔ベンゾ(a)ピレン等〕、ベンゼン等)

  5. 有害大気汚染物質対策の基本的考え方
  6. 環境基本法や環境基本計画でしめされた考え方に基づき、国民への健康影響の未然防止の観点から、有害大気汚染物質全体を視野に入れた体系的な取り組みを進める必要がある。
    また自動車に係る対策の位置づけについても、検討する必要がある。

  7. 今後のスケジュール
  8. 現在、中央環境審議会大気部会において審議されており、本年中には結論を出し、次期通常国会において法制化を図ろうとしている。

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