イーストマン・コダック社フィッシャー会長との懇談会(司会:槙原稔アメリカ委員長)/10月21日

よりオープンな市場実現こそ日米両国の使命


アメリカ委員会では、米国を代表する経営者の1人であるイーストマン・コダック社のジョージ・フィッシャー会長・社長兼最高経営責任者を招き、日米経済関係全般について同氏の考え方を聞くとともに、種々懇談した。以下はフィッシャー会長の発言概要である。

  1. 日米は共通の価値を有する家族の一員
  2. 日米両国は文化的、歴史的な相違があるが、相違点を上回る共通点を有しており、言わば同じ家族の一員である。
    ただし、現在、両国はリスクと機会の微妙なバランスの上に立っている。日本には外国企業の市場アクセスおよび日本における外国企業の競争力を損なう貿易障壁が存在する一方、日米企業間には製品開発等で密接な協力関係が存在している。

  3. 加速するテクノロジーの革新
  4. 世界は今、政治、経済そしてテクノロジーの3つの面で大きな変化に直面している。特にテクノロジーの変化は一国の経済、そして個人の自由な活動に拍車をかけている。例えばインターネットは国と国の物理的、心理的なあらゆる境界を取り払い、創造性を加速している。写真の分野でも、従来の単に撮るだけのものから、画像を編集し、モデムで送付したり、コンピューターから直接プリントするといった、新たな需要が急速に高まっている。
    グローバル・コミュニティの基盤は既に出来上がっており、われわれが互いの関係を改善する方法を見出すことができれば、日米両国の企業にとって多大な機会を提供することになる。
    日米政府間では、包括経済協議をはじめとして種々の前向きな努力が行われており、これらは将来にとって好ましいものである。他方で、両国には激しい言葉のやりとりや対立を好む考え方が存在することも事実である。しかし、そうした考え方はナンセンスであり、歴史の流れに逆らうものである。米国のビジネス界は日本を無視することなど出来ないし、逆もまた真である。

  5. 日米両国に求められるもの
  6. 日米関係は世界の将来にとって最も重要な2国間関係であり、対立があってはならない。世界は日米両国に経済的、政治的なリーダーシップを期待している。とりわけ世界のGNPの40%を占める両国は、世界の成長の先導役を果たさねばならない。
    互いに協力をしない、公正な競争もしないというのは、両国の経済の障害となるだけでなく、国民にとって、より高い物価水準、テクノロジーのアクセスへの悪化を意味する。両国は、より一層の協力、より多くの競争と、より少ない衝突を達成するために、オープンな対話、オープンな考え方、オープンな市場を実現すべきと考える。


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