首都移転部会(部会長 水上 萬里夫氏)/10月17日

首都機能移転をめぐる最近の動き


首都移転部会では、首都機能移転をめぐる最近の動きにつき、国土庁大都市圏整備局の大堀首都機能移転企画課長より説明を受けるとともに懇談した。以下は大堀課長の説明概要である。なお大堀課長との懇談終了後、移転の早期実現に向けた今後の取組に関し委員間で協議した。

  1. 首都機能移転を巡る各界の動き
  2. 阪神・淡路大震災を教訓とした危機管理の観点や長引く景気低迷の中、内需振興、景気浮揚等経済効果を期待する世論の盛り上がりにより、今年になって首都機能移転を巡り各界が大きな動きをみせている。政治では、超党派議員連盟の新首都推進懇談会が移転先決定時期の目標等を決議し、連立与党も新政策合意の中に移転候補地決定時期や国民的議論を盛り上げるためのシンポジウムの開催等を盛り込んだ。

  3. 国会等移転調査会の審議状況
  4. 国会等移転調査会(会長:宇野收関西経済連合会相談役)は92年12月施行の「国会等の移転に関する法律」に基づき設置された。同調査会では、昨年6月に移転の意義と効果に関する第1次中間報告をまとめ、引き続き本年6月に移転の対象の範囲や新首都の都市づくり(ビジョン、制度手法)等に関する第2次中間報告をまとめた。現在は、同調査会の下部組織である基本部会(部会長:八十島義之助帝京平成大学長)で、(1)移転先の選定基準、(2)移転時期の目標、(3)東京の整備のあり方について、審議を進めており、12月7日に部会報告をまとめ、年内に調査会の報告として取りまとめる予定となっている。

    (1) 第1次中間報告の概要

    首都機能移転は物理的な政経分離により、国政全般の改革を補完、加速し、定着させようとするものであり、地方分権や規制緩和と並んで21世紀に向けたわが国社会の改革のための車の両輪である。移転により新たな経済発展や東京の過密の軽減、多極分散型国土形成の促進、災害対応力の強化、国際交流の活発化等が期待される。移転に当たっては予め、公正・透明な手続きを確保するとともに、土地投機防止策を講じておかなくてはならない。

    (2) 第2次中間報告の概要

    移転対象は国の三権の中枢(国会、行政、最高裁判所)であり、必要最小限が一括して移転する。新首都の規模は最終的に人口最大60万人程度、面積は概ね 9,000haで、都市形態は国会と中央官庁が集中立地する「国会都市」( 2,000ha)と小都市群からなる「クラスター方式」を採用する。新首都は国会都市から段階的に建設し、建設開始から約10年を目途に新首都で国会を開催する。国会都市等主要な地区は公的主体が土地を保有し、土地利用を管理する「リースホールド方式」を採用すべきである。


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