キンケル独副首相兼外相との懇談会(司会 三好事務総長)/11月1日

今後の世界をリードする日独の関係を活性化


来日中のキンケル・ドイツ副首相兼外相はじめドイツ政財界の代表者4名が経団連を訪れ、豊田会長、大賀新産業・新事業委員長、石原国際企業委員長らと懇談した。キンケル副首相兼外相は「日独間の政治%経済の両面における関係の再活性化をはかりたい」と述べ、これに対し、経団連側からは「今後の世界をリードする二国間の関係強化」を訴えた。

  1. キンケル副首相兼外相挨拶要旨
    1. 日独は地理的には遠く離れているが、両国民には歴史的な背景も含めて強い親近感がある。日本は、アジアの代表的国家であるばかりでなく、世界でも重要な国家になっており、欧州を代表するドイツとの政治・経済両面の関係の活性化が求められる。

    2. EU(欧州連合)内部に未解決の問題はあるが、今後EUは中・東欧諸国に門戸を広げていく。また、EUは加盟国間のフラットな関係を目指すが、統合の原動力となるのはドイツとフランスである。

    3. マーストリヒト条約の経済収斂基準に対しドイツ、オランダ、ルクセンブルクは達成しているが、フランス等は未達成である。しかし、通貨統合をフランス抜きで実行することは困難であり、また、各国とも経済収斂基準値達成の決意は固い。

  2. 懇談
  3. ドイツ側:
    93年から94年にかけてのEUの対日輸出額は301億ドルから350億ドルに増加した(17.7%増)。しかしドイツの対日輸出額は98億ドルから111億ドルに増加したにすぎない(13.7%増)。ドイツの対日輸出をさらに促進するためには何が必要か。
    経団連側:
    ドイツ側のさらなる輸出努力と共に、流通形態の見直しなど日本側の一層の努力が必要である。また、規制緩和の促進など政策面での対応も必要であろう。ただし、EU全体に比べてドイツからの輸入額が伸び悩んだ一因としては、円高とともにマルク高が進展したことも挙げられよう。

    経団連側:
    中・東欧などEUの新規加盟国・準加盟国にはドイツ経済圏の国々が多い。ドイツ経済の強大化は他の加盟国との関係を微妙にするのではないか。
    ドイツ側:
    すでにドイツはEU最大の国家であり、一部に懐疑心を持たれているのは事実である。しかし、EFTA・東欧諸国の加盟は予定されていた事実であり、ドイツが欧州の中心になるのは自然な流れである。ただし、大国であるが故に、中位国の代弁者にならざるを得ないのも事実である。
    経団連側:
    今後の世界をリードする日独のパートナー・シップの強化は両国にとって有用と考える。


日本語のホームページへ