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経団連、タイの洪水被害救援のため医薬品を供与


日本ではあまり報道されていないが、タイは現在、相次ぐ台風の上陸や大雨により、全国的な大洪水に見舞われている。それも、1日や2日で水が引くといった程度のものではない。もう2カ月以上も水に浸かっている地域があるのだ。バンコク市内を流れるチャオプラヤ川の水位も、先月末、200年ぶりにそのピークを更新した。国連人道問題局によると、先月末の時点で100万世帯、400万人超がこの洪水の被害に遭い、約6万人が避難生活を送っているとのことである。また、約140万ヘクタールの農地が水につかり、バンコク市内でも多数の住宅や道路に水が溢れ、交通がマヒするなどしている。被害総額は、およそ36億バーツ(約150億円)にのぼるとされている。

10月28日、タイのチャチャイ元首相とチャワット駐日大使からこの話を聞いた豊田会長と瀬谷日タイ貿易経済委員長(旭硝子社長)は、すぐさま支援を申し出た。そうしたところ、洪水がおさまった後に発生・蔓延すると予想される各種病気(コレラ等)の予防ならびに治療にあてる医薬品を供与してほしいとの依頼があった。それも10日以内に。

早速、製薬業界や駐日タイ大使館、盤谷日本人商工会議所などの関係先と連絡をとり、医薬品調達の方法やその供与先等について協議する。タイ大使館が本国に照会したところ、下痢止めや鎮痛剤、解熱剤といった医薬品の供与を希望するとのこと、これら医薬品100万バーツ(約420万円)分の供与を決める。薬の調達は、在タイの日系製薬会社が行ってくれることになった。タイとの関係の深い企業から緊急義援金を募って、これを薬の代金に充てることとし、11月2日、とりあえず経団連が一括立替え払いするという形で、100万バーツをタイに送金した。

11月6日午後、豊田会長と瀬谷委員長の名代である丸子盤谷日本人商工会議所会頭が、バンハーン首相と面会し、100万バーツ分の医薬品の目録を贈呈した。100万バーツという金額は、被害総額と比べると決して大きいものではない。しかし、支援を申し出てからすぐに実行した点はタイ側から高く評価された。目録を贈呈した丸子氏に対し、バンハーン首相は、「経団連の迅速な対応と心からの支援に厚く感謝する。」と述べたとのことである。

なお、緊急義援金は、11月いっぱい、経団連にて受け付けている。


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