首都問題委員会地方分権部会(部会長 河野俊二氏)/11月30日

地方分権の推進に向けて国民の幅広い支持を


本年7月に発足した地方分権推進委員会(諸井虔委員長)では、地方分権推進計画の具体的指針づくりに着手しており、本年度末までに中間報告を取りまとめることとしている。
これを受けて経団連では、経済界の立場から地方分権を検討するため、地方分権部会を設置することとし、第1回会合では、地方分権推進委員会の石井事務局次長から、地方分権をめぐる最近の状況と課題について説明を聞いた。

  1. 石井次長説明要旨
    1. 現在わが国は、行政、政治、税制等の改革が必要となっており、明治維新、戦後改革に次ぐ、いわば第3の改革の時期にある。地方分権、規制緩和、首都機能移転等に今取り組まなければ、21世紀の日本はないと認識している。

    2. 地方分権は規制緩和に比べて分かりにくいが、住民の視点から改革を進めることが重要であり、国と地方の権限争いにしてはならない。
      政策立案能力の向上をはじめ地方の体制整備も必要であるが、より重要なのは、国民の支持である。当委員会では、10月に「地方分権推進に当たっての基本的考え方」と「行政分野課題審議に当たって留意すべき事項」を公表し、分権の必要性や分権後の社会の姿を積極的にアピールしている。

  2. 意見交換
  3. 経団連側:
    1. 分野によっては、地方の上乗せ・横だし規制や国の行政規則に基づく硬直的な対応が多く見られる。分権した結果、従来以上に規制が強化されることのないよう、規制緩和を前提に地方分権を進めてほしい。
    2. 地方団体間で異なる許認可基準が存在する等、明らかに不合理な点は全国統一を図る必要がある。

    石井次長:
    地方分権の基本は規制緩和であり、自治体が規制を強化してはならない。分権型社会では、統一すべき点は法令で定め、地域の事情を考慮する必要があれば、法の範囲内で条例に規定することで対応したい。
    中央集権的な仕組みの下では、現場の公務員ほど国の行政規則に頼り、硬直的に対応する傾向があるが、思い切って分権を進めることにより、責任ある対応が可能になると期待している。


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