東亜経済人会議日本委員会(委員長 服部禮次郎氏)/12月7〜8日

第23回東亜経済人会議を開催


東亜経済人会議日本委員会では、台湾との経済交流促進のために、毎年、東亜経済会議中華民国委員会(会長 辜振甫氏)との間で東亜経済人会議を開催している。本年は12月7日〜8日の両日、台北で第23回会議を開催した。
以下は、今次会議のステートメントである。

第23回東亜経済人会議ステートメント

1995年12月8日
於 台北

  1. 第23回東亜経済人会議は、1995年12月7日〜8日の両日、台北において、日本側から服部禮次郎団長はじめ107名、台湾側から辜濂松団長ほか150名の参加者を得て開催された。

  2. 今回の会議では、全体会議において「為替変動が日台貿易のインバランス是正および双方の投資、技術交流の促進に及ぼす影響」と「中国など第3国投資に関する経験・日台協力」について建設的な意見交換を行なった。また、「貿易・投資・技術協力」、「金融・証券」および「運輸・観光」の3つのテーマに関し、それぞれの分科会において活発な討議が行われた。

  3. 日台貿易については、依然として大きな貿易インバランスが存在することが指摘される一方、台湾の対日輸出の伸び率が日本からの輸入の増加率を上回り、日台貿易関係は新たな局面にあることが説明された。日本側からは、台湾製品、とりわけコンピュータ関連製品の品質向上の結果、台湾からの輸出製品が高度化しており、今後、日台の協力関係をさらに促進したい旨の発言があった。また、昨年来改善傾向にあった貿易インバランスが本年に入って悪化したのは、急激な円高によるものであり、双方は日台貿易インバランスの改善のため、今後とも引き続き努力していく必要がある点で意見が一致した。これに関連して、日台ビジネス協議会と中日商務協議会による積極的な台湾製品販売促進活動が大きな成果を上げていることが紹介され、双方は今後ともこうした活動を積極的に支援していくことで合意した。

  4. 中国など第3国投資については、アジア太平洋経済の持続的発展に向け、日台双方が資本および技術供与国としてさらに大きな役割を担うことで意見が一致した。台湾側からは、台中関係は現在政治的には冷却化しているものの、経済的には依然として台湾の活発な対中投資が行われており、中国経済および台中経済関係の将来に対して客観的な見方が示された。こうした現状認識の下、台湾側から日本企業に対して、中国大陸への共同進出の可能性について討議が行われた。
    日本側からは対中共同進出に強い関心が示され、また、ベトナムおよびその他の東南アジア諸国についても、日台企業の組み合わせが好ましいとの見方が示された。

  5. 日台双方は、分科会での討議を通じて、各産業分野ごとの日台協力をさらに推進することで合意した。
    投資および技術交流については、台湾側から、貿易インバランス解消のためにも対台投資と高度技術の移転に日本企業が引き続き積極的に取組むよう要望が出された。 金融・証券については、日台双方の支店・駐在員事務所の開設が進むとともに、業務面での相互協力や交流が進展している実態が紹介された。
    運輸については、日台経済交流が活発化しているのを受けて、海運・航空ともに順調に推移していることが紹介された。双方ともに規制緩和やサービスの改善に向けて意見交換していくこととなった。
    観光については、14日以内の滞在者に対して、台湾が本年1月からビザの取得を不要にした措置や円高の影響もあり、日本からの台湾訪問者が増えた事実が紹介された。日本側は、台湾のビザ取得不要策を高く評価するとともに、日本人観光客の台湾訪問をさらに促進すべく、台湾の観光資源開発について改めて要望した。これに対して、台湾側は観光資源開発の現状を説明するとともに、日台航空協定の改訂と関西空港への乗り入れについて日本側の協力を要請した。

  6. このほか、今回の会議では、経団連より21世紀に向けて日本が内外に開かれた経済・社会を構築するため、規制緩和や地方分権、首都機能移転に取り組んでいること、またそれとの関連で、「むつ小川原工業基地」の紹介があった。さらに台湾側から、WTO加盟に向けての準備状況およびアジア太平洋オペレーションセンター実現促進に対する現状が紹介された。

  7. 双方は次回の東亜経済人会議を、双方が適当と認める時期に(1996年12月を目途に)日本で開催することに同意した。また、第8回幹部会議を次回の東亜経済人会議以前の適当な時期に、台湾で開催することが合意された。


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