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ギニア虫症97%撲滅達成


現在、開発途上国全体で主要な寄生虫に感染している患者数は、40億人以上といわれている。そのひとつに、1986年世界保健機構(WHO)が天然痘に次いで世界で2番目に地球上から撲滅されるべき疾病として指定した「ギニア虫症」がある。

WHO記章 ギニア虫症が紀元前10世紀から存在することは、エジプトで発見された13歳の少女のミイラによって証明されており、旧約聖書にもギニア虫は「火の蛇」として登場する。WHOの記章には棒に巻きついている蛇がデザインされているが、これはギニア虫を象徴するものといわれている。

経団連は、カーターセンターのギニア虫症撲滅活動に共鳴し、日米における民間経済協力のモデル・ケースとして同センターへの寄付を会員各社に呼びかけたところ、35社から総額9280万円の募金が寄せられた。集められた募金は、外務省の草の根無償資金と併せてアフリカ14カ国(セネガル、モーリタニア、マリ、コートジボアール、ガーナ、トーゴ、ベナン、ブルキナファソ、ナイジェリア、ニジェール、チャド、スーダン、ウガンダ、エチオピア)向けの四輪駆動車40台、オートバイ72台の購入に使われた。これらの車両は、日の丸とKeidanren-Carter Center Guinea Worm Disease Eradication Project と書かれたロゴ・ステッカーを貼って、毎日、ギニア虫症撲滅のために飲み水を濾過するフィルターを運んでアフリカの炎天下を走っている(写真参照)。

86年当時アジア・アフリカ諸国における感染者は総計350万件以上であったが、世界的パートナーシップを通じた10年に及ぶ努力の結果、現在では10万件以下まで激減した。撲滅達成期限である1995年末を目前に、95年12月4日、カーター大統領夫妻の呼びかけで世界各国の政府、政府関係機関、民間企業からの協力者150名が米国国務省に集まり、ギニア虫症の97%撲滅を祝った。WHOの発表によると、紀元前から人々が苦しめられてきたギニア虫の完全撲滅にはあと2〜3年ということである。


カーターセンターに寄付された車とカーター元大統領(右)


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