サブサハラ委員会(委員長 笠原 幸雄氏)/12月21日

ブルキナ・ファソ(旧オートボルタ)の政治・経済概況


サブサハラ委員会では、折から来日中のブルキナ・ファソのコンパオレ大統領との懇談会を開き、同国の政治、経済情勢について説明を聞いた。同大統領は「ブルキナ・ファソは、内政の安定と民主主義の定着に尽力してきており、成果をあげつつある。また、外国投資に関する法令を制定するなど、投資環境も徐々に整備しつつあり、特に鉱物資源の開発において日本企業の参加を強く期待する」と述べた。
以下はコンパオレ大統領の説明の概要である。

笠原委員長と握手するコンパオレ大統領

  1. ブルキナ・ファソ概要
  2. ブルキナ・ファソはサハラ砂漠の下部に位置する内陸国で、綿、金、畜産品を主要な輸出品としている。最近は特に、鉱物資源(金)の開発に力を入れており、外国資本導入のため先に外資に関する法令を制定した。既に欧米諸国から30を越える企業が鉱物探査に来ている。日本企業は1社にすぎず、この分野における日本企業の進出をぜひお願いしたい。

    政府は92年よりIMF・世銀の協力の下、経済構造調整政策の実施に着手しており、民営化の促進、銀行の再編、社会保障制度改革、教育の充実に努めている。教育については、国民の識字率を高めるためインドから講師を招くなど初等教育に力を入れている。

    政治的には1960年の独立後、一時、社会主義を標榜したが、90年にこれを放棄、92年5月に複数政党制に基づく国民議会選挙を初めて実施し、民主主義の定着と内政の安定に尽力してきており、良好な成果をあげつつある。また、近隣諸国との友好促進に努めており、例えばトーゴの民主化支援やマリ、ニジェール両国における民族問題解決支援に取り組むなど西アフリカ地域の安定化にも力を入れている。

  3. 日本との関係
  4. 93年10月に東京で開催されたアフリカ開発会議を契機として対日関係の重要性を痛感し、94年10月に在日大使館を開設した。今後日本からさらに多くの点を学びたいと思っており、両国間関係のさらなる強化・発展を強く希望している。

    経団連がカーターセンターが推進しているギニア虫症撲滅計画に協力し、わが国に対して医師の巡回移動用の四駆ワゴン2台、オートバイ7台を寄贈したことを承知しており、厚く御礼申し上げたい。


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