ベナジール・ブット パキスタン首相来日/1月17日〜20日

経済改革を進め、日本企業の投資を待つパキスタン


パキスタンは現在、ブット政権のもとで経済の自由化や民営化、規制緩和を中心とする経済改革を積極的に推進している。そのパキスタンから公賓として来日(1月17日〜20日)したブット首相は、日本からパキスタンへの投資を拡大させるため、自ら先頭に立って日本企業に対する投資呼びかけを行なった。
以下は、経団連を含む経済6団体の共催(幹事 日本貿易会)による歓迎昼食会(1月18日)、および経団連、日本商工会議所、日本・パキスタン経済委員会、パキスタン投資庁の共催によるパキスタン投資会議(1月19日)におけるブット首相の演説要旨である。

ブット首相

  1. 今日、世界は急速に一つの市場となりつつある。過去10年の間に世界が経験した変化により、モノやカネ、情報が世界中を自在に行き交うようになっている。来るべき21世紀は、
    1. 民主主義と人権、
    2. 自由市場経済と開発、
    3. 政府と民間部門の協力、
    という3つの選択肢の上に構築されることになろう。

  2. 1988年以来、パキスタンは経済の自由化や民営化、規制緩和を中心とする大規模な経済改革を推進している。この中で、金融や電気通信、航空、海運、電力等の産業が民間に開放された。外国為替に関する規制の緩和も大幅に進んでいる。さらに、パキスタンは南アジアで唯一、外国人投資家が株式の100%を保有できる国である。こうした経済改革は、もはや後戻りすることはない。

  3. パキスタンには3,500万の労働力がある。彼らは勤勉かつ優秀であり、現代のテクノロジーにも十分ついていける。またパキスタンは、それ自体が広大な市場であるばかりでなく、中央アジア諸国への足掛かりとして、またペルシャ湾地域への玄関口として、およそ3億人の市場をカバーしている。こうしたことも考え合わせると、パキスタンの投資先としての優位性は高いと考える。日本はパキスタンにとって最も重要な貿易相手国のひとつであるとともに、最大の援助国でもある。今後は、投資の面でも重要なパートナーとなってくれるよう期待する。


パキスタン・イスラム共和国概況(出典:パキスタン投資庁)
首都イスラマバード
面積804,000平方km
人口(1995年)1億2000万人
GDP(1995年)546.4億米ドル
1人あたりGNP(1995年)476米ドル
GDP成長率6%/年(過去15年間の平均)
消費者物価上昇率9%/年(過去10年間の平均)
総貿易額(94年―95年)輸出 81億米ドル
輸入104億米ドル
対日貿易額(94年―95年)輸出 5.5億米ドル
輸入10.1億米ドル
日本からの直接投資総額232百万米ドル(66件)
(1994年3月末現在,日本大蔵省統計,許可・届出ベース)


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