国際金融常任委員会(委員長 若井恒雄氏)/1月26日

G7の模様および為替相場の動向について加藤大蔵省財務官と懇談


国際金融・資本交流委員会では、常任委員会を開催し、加藤大蔵省財務官より、1月20日に開催されたG7(7カ国蔵相・中央銀行総裁会議)の模様等について、説明を聞くとともに、意見交換を行なった。

  1. 加藤財務官説明要旨
    1. 今回のG7では、世界経済の動向と各国の経済政策を中心に議論した。独、仏は、一時的な景気の落ち込みが懸念されているが、本年後半の回復が期待されている。米国も、景気の勢いは弱まったが、健全な経済体質に変化はない。日本経済は、生産等明るい兆しがみられ、景気上昇の力強さがある点で、7カ国の景況感が一致した。

    2. 各国は、中長期的成長を実現する上で財政赤字削減の必要性を再確認した。米国では、2002年までに財政収支を均衡させるべく議論しており、欧州各国も、通貨統合参加のために財政赤字を対GDP比3%以内に収めようと努力している。他方、日本は財政赤字が拡大しており、今後削減に向けた議論が必要である。

    3. ドル高・円安への流れが続く中、今回のG7では、「10月会合以降の為替市場における動向」を歓迎した。今後、為替相場の流れは、大幅な日米金利差、貿易・経常収支黒字の縮小等の良好なファンダメンタルズを反映した動きになろう。今後、米国の経常収支赤字の縮小を期待している。

    4. 住専問題については、大蔵大臣より、
      1. 住専処理の仕組み、
      2. 金融機関の検査・監督のあり方、
      等を説明した。各国首脳は、日本がこの問題に真剣に取り組み、具体的青写真を示したことを一様に評価し、今後、その実現の行方を注視したいと述べた。各国は、日本が住専処理に失敗すれば、世界経済にも様々な混乱が起こると心配しており、住専処理策の実現に向け努力したい。

  2. 質疑応答
  3. 経団連側:
    最近の日本の低金利が行き過ぎとの批判があるがどう考えるか。
    加藤財務官:
    経済情勢、物価水準からみて、現在の金利政策は適切である。但し、バブルをもたらしたマクロ政策が適切であったかどうか、現在省内で勉強中である。

    経団連側:
    G7等で為替相場の目標について議論しているのか。
    加藤財務官:
    具体的な相場の幅については議論していないが、日米通貨当局は現在の為替水準や先行きについて見方が一致しており、昨年4月以来の共同歩調は現在も続いている。

    経団連側:
    欧州の通貨統合の今後の見通しはどうか。
    加藤財務官:
    フランス等から統合の速度を緩めてはどうかとの意見もあるが、経済は統合を前提に動いている。客観的条件は難しいが実現すべきとの政治的意思は強い。


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