ミャンマー研究会(座長 春名和雄氏)/1月30日

ミャンマーの投資環境改善をめぐり
マウン・マウン・キン副首相と懇談


ミャンマー経済シンポジウムが、1月29日にヤンゴンで開催された。同シンポジウムに出席した春名座長は、翌日、マウン・マウン・キン副首相と面会し、経団連のミャンマーに対する活動について説明し、同副首相の理解を求めた。

  1. 春名座長発言要旨
  2. 1月29日に開催されたミャンマー経済シンポジウムに経団連の代表として参加した。94年6月に経団連の訪ミャンマー経済調査ミッションの団長としてミャンマーを訪れたが、その後、日本の経済界ではミャンマーに対する関心が非常に高まっている。経団連ではミャンマー研究会を設立し、ミャンマーについて勉強を続けている。日本からの投資はNATO(No action, talking only)と揶揄されていたが、今や行動の時代に入った。
    ミャンマーの経済開発にとって日本のODAは大きな役割を果たすと思う。人道的な無償資金協力から徐々に再開されており、一時に比べて状況は改善している。
    日本にはミャンマーの本当の姿が十分に伝わっていない。出来る限り多くの情報を世界に発進することが重要だと思う。ミャンマーを訪問した人は、大抵ミャンマーが好きになるが、来たことのない人はミャンマーのことを不安に思っている。
    経団連としても、今後ミャンマーとの間で定期的な意見交換を行いたいと考えている。その際には副首相にも力添えをいただきたい。

     ミャンマー経済シンポジウム(1月29日)

  3. マウン・マウン・キン副首相発言要旨
  4. SLORCが政権についてから7年が経過した。ミャンマー経済は一時の混迷を脱し、発展を続けている。経済成長の成果はヤンゴンだけでなく、地方でも見ることができる。これは、海外からの支援に頼ることなく、ミャンマー人自身による努力の結果である。しかし、近隣の国々に比べて、まだ25〜30年は遅れているので、さらに努力する必要がある。投資も最近漸く件数が増えており、日本企業の進出も1年前に比べると目立っている。近く認可されるプロジェクトもある。
    情報の公開については、対内的にも対外的にも力を入れている。インターネットの活用も検討している。ただし、資金面の問題もあり、十分だとは言えない。ミャンマーを訪れた人には私からも実情を説明し、帰国後にミャンマーの宣伝をしてくれるように頼んでいる。
    日本とは第2次大戦以前から友好関係にあったが、88年以降、疎遠になってしまった。日本人の本心はそうではないと思うが、第三国への配慮からミャンマーから離れていたのではないかと思う。他の国の動きも同様である。一部の国は、人権に関する自国の基準を他国に押しつけようとしている。日本のことは日本人が一番良く知っているように、ミャンマーのことはミャンマー人が一番良く知っている。我々はミャンマーの将来を真剣に考えている。民主主義は一日にして確立できるものではなく、さまざまな段階を踏んで実行に移す必要がある。少数民族との和平も進展し、国民会議で新憲法の審議も行なっている。こうした手続きを一歩ずつ進め、平和で安定し、経済的にも発展した国を築きたい。
    環境問題には十分配慮している。ヤンゴンだけでなく、地方でも環境規制を遵守しながら、常に20〜30年先のことを考えて開発計画を立てている。タン・シュエ首相も環境保全に力を入れており、ヤンゴン市長にも環境を守る観点から都市計画を立てるように指示を出している。
    日本のODAには感謝している。拡充していただければありがたい。第三国への配慮から日本がODAを拡充できないでいることは十分に承知している。


    マウン・マウン・キン副首相(右)と春名ミャンマー研究会座長(左)

    ミャンマーの外国投資認可額(89年度〜95年12月末累計)


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